さて、ディズニーランドと言えば個性的なアトラクションやショーが魅力。中でもスリルライド系が人気ですが、パーク内唯一のものといえば「ホーンテッドマンション」。
定番と言えるこの「お化け屋敷」ですが、ここには様々なこだわりやストーリーが細かく存在しています。今回もシリーズ企画、個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。
今回は前回に続き、「ホーンテッドマンション」の細かな雑学やこだわりをご紹介します。
その他の細かなトリビア・攻略法など
他の遊園地などにある、単なる「お化け屋敷」ではなく、雰囲気、音楽、視界、特殊効果など、様々な細かい部分にまでこだわりがあるのがこのホーンテッドマンションの特徴。
例えばゲストが乗る乗り物「ドゥームバギー」は「真っ黒」で「ゲストを後ろから覆い隠す様な形」になっています。これはあえて視野を前方だけに限定させるため。
これによりゲストに見せたい方向を確実に向かせる効果や、孤独感を持たせるためです。また、ライドが360度の方向に動くため、見えない後方にも恐怖感を持たせる意味もあります。
また、このアトラクションはその不気味な外観が特徴的ですが、上の写真の様に、この重厚な雰囲気の入口の門に上に身構えるのは2匹の「グリフォン」のスタチュー。
グリフォンとは、鷲(または鷹)の翼と上半身にライオンの下半身をもつ伝説上の生物です。語源は、ギリシア語のグリュプスで「曲がったクチバシ」の意味があります。
このグリフォンは「欲に目の眩んだ人間の処罰」や、七つの大罪の一つである「傲慢」を象徴する動物として描かれることが多くあります。様々な未練を残し、この世を去った大勢の幽霊達が住み付くこの不気味な洋館には似合うスタチューですね。
また、上の写真の様にファストパス発券機は墓石の形になっています。さらには建物の前にはこれ以外にもいくつかの墓石がありますが、土葬されて盛り上がっている土はつい先ほど埋められた様な新しい土になっているなど、細かなところも見逃せません。
ちなみにこの墓石の名前は米ディズニーランドの同アトラクションの建設に携わった関係者の名前と言う話もあります。
また、混雑時に待ち時間が伸びると、ゲストはアトラクション入口に向かって、左側にある庭(上の写真、奥のスペース)にスタンバイのレーンが誘導される事があります。
ちなみにこの時、左側奥にあるのは、このアトラクションの主人公達、「不幸な一族の納骨堂」です。ロボロになって壊れかけた門や手入れのされていない周囲の様子が不気味です。
この門の下にはこぼれて固まっているセメントの様なものがあります。ここをよく見ると、骸骨の足跡があります。これはきっと納骨堂からさまよって出てきたものなんでしょうね。
そして、興味深いのはこの建物左側のエリアの上に小窓(2つ上の写真中央)がありますが、実はこの窓の向こう側に、時折、人影が動く事があります。知らずに見た人はかなり驚くと思いますが、実はこんな仕掛けがあります。
この窓の裏側は実はお隣にあるクリッターカントリーのレストラン、「グランマサラのキッチン」(下の写真)。この窓の裏には、食事をする普通のゲストが座る座席があるんです。
しかも微妙な曇りガラスになっており、完全に外が見えるわけではありません。…そんな中、普通にここに座って食事をしているゲストが動いたり、窓から顔を覗いたりすると、反対側に並んでいるゲストには幽霊が動いている様に見えるんですね。
これは食事をしているゲストの客席側からは全くわからない造りになっており、何気ない普通のゲストの動きがアトラクションの不気味な効果を増す仕掛けになっているという非常に手の込んだこだわりなんです。
2つ上の写真がその窓から外を覗いた様子。混雑時でこのエリアが使われていないと面白くない(使えない)方法ですが、細かなこだわりです。下の写真の様にその座席は実質一席しかありませんが、イタズラ好きな方はお試しを。
…話は戻って、そしてゲストはアトラクションの中に入ります。最初の部屋は窓が無く、低い天井の部屋です。そして気がつくと鈍い音を立てて扉が突然閉まります。ここには暖炉の上に舘を案内してくれる、ゴーストホストの肖像画があります。少しづつ変わっていく様は不気味です。
変わり果てたゴーストホストの姿を見た後、その声は次の部屋に移動し、ゲストは不気味な八角形の部屋に誘導されます。この次の部屋ですが、実は部屋が二箇所あります。
暖炉上の変わっていく肖像画を挟んで両脇にひとつずつありますが、ゲストはどちらに案内されるかはわかりません。…ここで少し早くアトラクションに乗れる裏技をご紹介。
この2つの扉はどちらが開くかはわかりませんが、事前に知る方法がひとつ。それはゲストが最初に入ってきた扉(下の写真)が閉まったら、キャストの動きを見ている事。
このキャストは次の部屋へゲストを誘導をするため、開く扉がある前に移動します。
そのため、最初の部屋に入ったら、肖像画付近に居て、キャストが移動した側に動けばすぐに次の部屋に入れます。
ただ、次に案内される、「絵が伸びる部屋」ですが、ここも次の扉はどこが開くかわかりません。…しかしこれもまた方法があります。
この「絵が伸びる部屋」ですが、これは前述のとおり、「ゴーストホストが変わっていく肖像画」の「左右に1つづつ」あります。誘導された「絵が伸びる部屋」が、右側の延びる部屋だったら、出口は左側の壁、逆に左側の延びる部屋に入ったら出口は右側」になります。
ちょっとややこしいので、もっと簡単な方法を。…ここでも同じく、ゲスト全員が中に入ったら、真っ暗になって絵が伸びていきます。
この時、ほとんどの方は上を見て、伸びる絵を見ていますが、ここでも同じく、キャストが次の乗り場へ案内するために、開く扉(実際は壁にしか見えない)の前まで静かに移動していきます。
そしてキャストが止まった位置の後ろが開く扉ですので、うまくここに移動できればそのグループの中でかなり早い位置で乗車ができます。細かなワザですが、混雑時には意外に有効ですので、ぜひお試しを。
ちなみにこの「伸びる絵」がある部屋ですが、実際には天井が上がっています。米ディズニーランドでは他のアトラクションとの構造上、下がるエレベーターが使われていますが、日本ではその必要がないので実際にはプレショーエリアとして使われているだけです。
次回はさらに細かな雑学についてご紹介していきます。