パリのディズニーランド(Disneyland Paris)では、プリンセスウィークが開催中。そのイベントに、白人では無いラプンツェルが登場し、SNSで話題となっています。
話題となった一枚の写真
X(旧ツイッター)で投稿された一枚のラプンツェルのグリーティングの写真。
📍 Rapunzel, meeting Guests at L’Arbre Enchanté for Princess Week 👑 pic.twitter.com/z4DZ0zQINE
— DLP Report (@DLPReport) August 20, 2023
多様なプリンセス、多様なロールモデルのあり方は社会的に意義のあることとして認められているものの、プリンセスが有色人種であったというだけで、この投稿に多くの批判的なコメントがついています。
中には、「これは誰ですか?」「日焼けマシンでも使ったの?」など、プリンセスを演じる人間を否定することになるような差別的なコメントもあり、多様性、人種差別の問題がいかに根深いかを物語っています。
ディズニープリンセスを、ディズニーランドという舞台でリアルな人間が引き受けると言う行為。それは単なる「そっくりさん大会」では決して無いはず。見た目をいかに近づけるかという表面的な問題ではなく、個々の人間性の尊重の問題、プリンセスをその人がどう体現するかというアイデンティティの問題ではないでしょうか。
ゲストが楽しむコスプレだって、コスプレをする方の人間性、生まれ持った外見上の特徴や個性は決して否定されるものではないはずです。それをリアルじゃ無い(=アニメーションに似てない)と切り捨てしまうのは、あまりにも悲しいことです。
もっと言えば、見た目だってあきらかにラプンツェルですよね。肌の色で「ラプンツェルでない」と言い切ることは、大きな疑問です。
ディズニーは、現実世界の豊かな多様性、つまり様々人々や文化をパークに反映し、全ての人がパークを楽しめるようにすることを社会的道義として掲げています。
アニメーションで描かれた人物を私たちが住む現実社会へ昇華する行為は、言うまでもなくリアルな人間が担うことになります。そのリアリティの否定や制限は、今まで続いてきた人種の問題をさらに長引かせてしまうことになるのではないでしょうか。
アニメーション映画の実写化の際にも繰り返された議論ではありますが、グリーティングで初登場ということで、紹介させていただきました。