多くのゲストが集まる東京ディズニーリゾート。しかしそのゲストの多さから様々な問題も起こります。
中でも近年話題となっているのが、東京ディズニーシーでの「ミラコスタからパークに向かってスマートフォンのライトを振る」と言う行為。
時折話題になるこの問題に、最近変化がありました。また何が問題なのか…等について考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
ホテルの部屋からスマホライトを振る行為とは?
![ミラコスタ スマホライト問題](https://tdrhack.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC02506.jpg)
(画像はイメージです。一部加工しています。)
まずは詳しくご存じない方のために概略をご説明。
近年、夜の閉園時間近くになると、ミラコスタに宿泊している人(主に港の広場周辺の部屋)から、これから帰宅する人に向かってスマートフォンのライトをつけて振り回す…と言う行為が流行っています。
それに対し、パーク内を歩くゲストからも同様に「そちらに向けてライトをつけたスマートフォンを振り回し、コミュニケーションを取る」と言うのが最近の流行りとなっています。
また、ミラコスタからだけでなく、パーク内のアトラクション(ビックサンダーマウンテン上の通路やトランジットスチーマーライン…等)からもこうした行為が最近見られています。
近年その行為がネットやTwitter上で景観上の問題や、眩しくて体調を悪くする人が出ている…と、よく話題になっている状態です。
今回はこのスマートフォンのライトを照らす行為について考えてみたいと思います。(業務用等の強力なライトを照らすと言う明らかな迷惑行為もありましたが、今回はそちらとは別問題として考えます。)
強い光で「目に不快感」と言う報告も
![ミラコスタ スマホライト問題](https://tdrhack.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC02499.jpg)
(画像はイメージです。一部加工しています。)
一見すると、これらは「名前も知らぬ相手と、パークに来ている人たちとの間でコミニケーションを取り合う」と言う、考え方を変えれば微笑ましいとも言える光景。
しかしながら、多くの意見は「ディズニーシーの美しい景観を壊す」や、「パーク内のゲストは上を向いて手を振るから危険」、「ライトが目に入って眩しい」と言った理由から問題視されています。
単に「眩しい」言うだけならばまだ良いのですが、実際にある「羞明(しゅうめい)」や「光過敏」と言った、強い光に起因して目に不快感が伴う症状をお持ちの方もいます。
特に強い光を放つスマートフォンのフラッシュライトで、具合が悪くなったり、吐き気がする…と言った症状を発症する方がいるのも事実です。
問題は「やっている人に自覚症状がない」点
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これは、主に若年層を中心に、中高生などが行う事が多い印象を受けます。(もちろんそれ以外にも見受けられます。)
問題なのは、そういった行為を行うゲストに「罪悪感が無い」と言う部分。
確かに「ライトを付けてスマートフォンを振る」と言う行為自体には何の違法性もありません。
また、それ自体が直接的なモラルを逸脱した行為、又はルール違反とは完全には言い切れない部分もあります。しかしながら現実的にこれを「不快」と感じる方が多くいるのも事実です。
自分達が楽しいと思うから…だけでなく、周りにいる他のゲストがその行為をどう感じるか…と言う事を考えながら配慮する事が大切なのではないでしょうか。
逆に「過剰に騒ぎ過ぎでは?」と言う反応も
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ただ、こうした問題に関しては、様々な考え方がある事も考慮する必要があります。
例えば、筆者自身もミラコスタのハーバーサイドに泊まった時に、まだここまで問題になる前ですが、同様の行為をした事があります。
ホテルの窓から下にライトを振ると、ほぼ間違いなく下のゲストがライトで返事をしてくれて、見知らぬ人とコミュニケーションを取り合う行為は実際やってみると「楽しい」と感じたのも事実です。
当時はこれも「ディズニーリゾートの中での楽しい思い出のひとつ」として捉えていました。
ここできちんと冷静に考えたいのは、その行為自体が法的に問題がある訳ではなく「直接的に不特定多数のゲストに確実に危害を与えている行為なのかどうか」と言う部分。
この行為に対して、単に「パークの景観が悪くなる」「見栄えが悪い」と言う部分だけに言及してしまうのは注意する必要があります。
それは、例えば「長時間の地蔵(ショーなどを待つ為にその場に座って動かずに何時間も待つ事)をする事」も「景観が悪くなる」と言う考え方もできる、という事。
また、とかく若年層の方のやる行為に関しては何かと批判されやすいと言う傾向があるのも事実です。
そして、確かに光に対して敏感な症状を持つ方がいるのも事実ですが、健常者の方が実際に「普通にそこを歩いてみて、強い不快感を与えられる行為であると言い切れるか」と言う部分もあると思います。
![ミラコスタ スマホライト問題](https://tdrhack.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC02428.jpg)
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こうした話題は話が大きくなりがちですが、正直に言えば、その光が見たくなければ避ける方法はたくさんあります。
また、「強い光を出すのは避けるべき」という事ならば、極端に言えばショーやパレード、キャラグリでのフラッシュ撮影も禁止するべき…と言う考えにもなってしまいます。
「気に入らないから」「嫌いだから」と言う感情論ではなく、そこを通るゲストが実際にどれだけそう感じているか…と言うのは見極める必要はあるのかもしれません。
対してパーク側の対応は?
![ミラコスタ スマホライト問題](https://tdrhack.com/wp-content/uploads/2022/04/DSC02495.jpg)
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そんな中ですが、最近はパーク側が具体的にスマートフォンのライトを使う事を止めるようにゲストに呼びかけると言う現地の情報がありました。
察する所、これはおそらく「具体的な被害を受けた方」などが出たからと考えられます。
しかし、全てのキャストが「統一されたパークの見解」として行っている訳では無く、一時的なものであった可能性も言われています。
![ミラコスタ スマホライト問題](https://tdrhack.com/wp-content/uploads/2022/04/P8024541.jpg)
また、夜の撮影も考えると、実際にパークが「訪れたゲストにスマートフォンのライトを使う事を全て止めさせる」のは現実的に不可能です。
また、これらの行為のきっかけは、まず「宿泊者から下に向けてライトが振られると言う行為」から始まっています。
そう考えると単にパーク内のゲストだけが悪いわけではなく、ホテル宿泊者側にも問題が無いとは言えない…と言う事にも思えます。
「何かを許さない風潮」が運営への負担になる事も
しかし、ホテル運営者側としてみれば、宿泊者への注意事項として「スマホのフラッシュライトを下に向けて振らないでください」と言う注意をわざわざ加える程の問題と言えるでしょうか。
色々な考え方がありますが、こうしたパークのルールやモラルは明文化されていないものも多く存在します。
ここで気を付けたいのは、近年のこうした傾向に対して、「直接的に被害を受けていない方々の大きな声が、結果的に益々パーク内のルールを増やし、キャストやパークの負担が増えていると言う現状」もあるという事はしっかり考えるべきなのではないかと思います。
…しかしながら、現実的には実際にそうした症状を訴える方が出ているのも事実と思われる状況。そうした方々に対する対応や配慮はもちろんしっかりと行うべきですが、過敏過ぎる反応も冷静に考えていきたい所です。
周囲に配慮する事で更に楽しくなるパーク
パークで生じるこうした様々な問題や課題。幅広い地域から、様々なゲストが訪れる東京ディズニーリゾートだからこそ…とも言えます。
言うまでも無く、そうしたそれぞれ個別の事情を持つゲストそれぞれの希望に全て応えるのは不可能な事です。
しかしながら、ここに集まる方は「パークのそのものの魅力」や「雰囲気」、「世界観」、「非日常」を求めてやってきます。
![ミラコスタ スマホライト問題](https://tdrhack.com/wp-content/uploads/2022/04/P8024536.jpg)
こちらもよく話題になる、ショート動画撮影なども含め、問題になるこうした行為は、「パークが元々持つ本来の魅力を楽しむ」のではなく、「個人の自己顕示欲や欲求を満たすため」と言うパターンが多くなっています。
もちろんそれも時代に併せたパークの新しい楽しみ方とも言えます。
しかし、大切なのは自分だけでなく、多くのゲストが様々な楽しみ方をしに来ている事を理解し、周りのゲストへの配慮や心使い、気遣いもしながら楽しむ事なのではないでしょうか。
皆さんのご意見もお聞かせくだされば幸いです。