私たちゲストをサポートしてくれる東京ディズニーリゾートのキャスト。
いわゆる「夢と魔法の王国」のキャストは誰でもいつでもすぐになれるわけでは無く、「それなりの決まり事」を守らなければなりません。
そんな中で決められている「ディズニールック(外見の身だしなみ)」。現在、SNSではこのキャストの身だしなみなどについて大きな話題になっています。
この記事のもくじ
不快感を与えない為の「最低限の身だしなみ」
この「ディズニールック」と言うのは、パークを運営するオリエンタルランドが定めている、「キャストの最低限の身だしなみ」の事です。(公式サイトはこちら。)
公式サイトには「あらゆるゲスト(お客様)に好感をもっていただける身だしなみを保つことを目的」と書かれています。
簡単にいうと、髪の毛の長さや色、化粧、装飾品などについての取りきめです。

公式サイトより引用。右下には「目に髪がかかる」のは不可との記載が
もちろん勤務時意外のファッション等は言うまでも無く誰でも自由です。しかし、会社との雇用関係を結ぶ中で、それが最低限の取り決めであるならば従う事が当然と言えます。
そんな中、話題となったのが、「茶髪で前髪が目にかかる男性キャスト」の姿。

公式サイトより引用
ヘアカラーやヘアスタイル、化粧、装飾品などの基準があり、働く施設や職種の区別なく、すべてのキャストが守るとされている、このディズニールック。
話題となっている、SNSで拡散した男性キャストさんはマスクで半分しか顔が見えないものの、アイドル風のルックスで人気がある様に伝えられています。
勿論それ自体が悪い事ではありませんが、手本とされているディズニールックと比較すると、髪の毛の長さや髪の色合いがかなり異なる様にも見えます。
現代風の外見はどこまで許される?
話題となったキャストは、SNSでその姿が発信され、その容姿からかゲストの注目を集め、大人気で囲まれている様子が広がりました。
もちろんオンステージに出てきている本物のキャストさんであり、本来ならば、私達ゲストがとやかく言う事ではありません。
しかしながら、これまで守られてきたディズニールックとは異なる姿に違和感を唱える意見も見られます。
時代の要請である「多様性」への対応も
しかしながら、現代は「多様性」の時代。見た目の容姿や姿形で「人」を判断することは望ましくないと言った考え方が広まりつつあります。
今回の件も、一部では「そんなに気にする事では無いのでは?」との意見もあります。
前述の通り、実際にそのキャストが従業員としてそこに従事している事は事実であり、それが許容されているとするならばそれは特にゲストが気にする事ではありません。
特に近年のディズニーはそうした世界的な流れや多様性について変化している印象もあるため、それも「新しい姿」として許容する必要もあるのかもしれません。
キャストの前に接客業としての姿
しかしながら、これまで長年保たれてきたディズニールックとその意味。
プライベートなら何の問題もないですが、企業で働くキャストや従業員の姿は「企業の姿勢を表す」と言っても過言では無いと思います。
ディズニーキャストに限らず、基本的に接客業としての最低限の姿としては、できるだけ相手に不快感を与えず、清潔感な印象が必要なのは間違いないと思います。
そう考えると今回広まったキャストの姿は、会社として許容しているとしても、表向きに公開している内容との相違は明らかとも言え、問題が全くないとは言い切れない様にも感じます。
背景には「キャスト不足」も影響?
こうした身だしなみに関しての「緩和」とも取れる状況は、別の懸念として考えられるのが、「キャスト不足」による影響。
ご存知の通り、新型コロナウイルス感染予防対策から休園を余儀なくされたパーク。その後、再開はしたものの、まだキャストが戻っていない、足りていない状況であると言えます。
そんな中で、なかなか人材が集まらない状況から、そうした「前提条件は表向きには変わらない」ものの、「実質的に緩和されている状況」も考えられます。
こればかりはゲストがどうする事もできませんが、そうした背景がもしあるとしたら、なかなか難しい問題と言えるかもしれませんね。
「現実」の中で成り立つ「夢や魔法」

今回の件に関しては「これはやはりおかしい」と言ったら意見の他に「別にそれほど騒ぐほどの問題でないのでは?」と賛否様々。
これは結論の出る話ではありませんが、基本的に、特別感のあるパークで感じる「夢」や「魔法」などの非現実感は、現実的に取り決めや厳しい管理の中でこそ成り立つとも言えると思います。
こうした変化が進んでいくと、これまで築き上げたパークの質自体が変わってしまう事があるかもしれません。
しかしながら、時代の要請とともに「緩和」や「変化」が必要なのも事実。そのバランスが難しい所ですね。
そんな所も「永遠に完成しないパーク」と言えるのかもしれません。そうした部分も今後どう変わっていくのか気になる所ですね。