何かと比較されがちな、東京ディズニーリゾートとユニバーサル・スタジオ・ジャパン。
もちろんそれぞれ個性的なテーマパークで、比較する意味は無いとも言えますが、やはり気になる「その違い」。
今回は、前回の【ハード面】 に加え、【サービス面】での違いについて、筆者の独自の視点で紹介したいと思います。
この記事のもくじ
オープニングが華やかなUSJ
両パークとも何となく浮き足立つのが、パークオープンの時間。そんな中での違いもあります。
USJのゲート最前列に並ぶとよくわかるのですが、開園する際、オープニングセレモニーの様な形で、クルーが1列に並び手を振りながら、音楽とともにゲストと一緒にオープンを盛り上げる演出があります。
対してディズニーでは特にそうしたものはなく、淡々とオープンする感じです。
こうした部分も「ゲストと一緒に盛り上がろう」と言う感覚はUSJの方が大きいような気がします。
以下はそのオープニングの時の様子。こうしたスタートの仕方だと、ちょっとテンション上がりますよね。
先日、USJ🌎に行った時、気合入れ過ぎて(笑)入園ゲートの先頭だったんですが、オープンの時にこんなプチセレモニーみたいなのやってるんですねー。これはちょっとテンション上がります⤴️ #USJファン pic.twitter.com/OXMFaBRJzw
— みっこ (@mikko_20100518) August 4, 2022
キャラクター重視のTDR、エンタメ重視のUSJ
単純比較できるものでは無いですが、例えばショーを比較した場合、TDRでは、基本的にほぼミッキーマウスが登場します。
そもそも、TDRではミッキーを求めてくるゲストが大変多くの割合を占めています。
ただ、逆に言うと「ミッキーが登場しないショーはほとんど終了してしまっている」と言うデメリットもあります。
対して、ミッキーマウスの様な強大なメインキャラクターが少ないUSJでは、例えばウォーターワールドの様なショーはまさにエンターテイメントと言える、キャラクターだけに捉われない「迫力のある演出」がメインとなっています。
更には演者のアドリブなどの他、水や炎、音や爆発など、見ていて非常に爽快感のあるエンターテイメントと言うイメージです。
もちろんこれだけでは無いですが、「キャラクターの個性」よりも、「エンターテイメント性がメイン」となっている印象があります。
キャストとクルーの意識の違い
2つのパークを比較して感じるのは、従業員の対応。TDRは「キャスト」でUSJでは「クルー」と呼称が異なります。
TDRのキャストは「ゲストのために親身になって案内や行動してくれる優等生」と言うイメージがあります。
対してUSJのクルーは「ゲストと一緒になってパークを盛り上げていく仲間」と言うイメージ。
例えば、USJで何気なく街並みの風景を写真に撮っていたら、「こんにちは!良い風景が撮れましたか?」と気さくに話しかけてくれたクルー。
ディズニーでも同じような事はありますが、USJのクルーの方が「ゲストと同じ目線になって楽しんでもらおうと言う印象」を受けます。
また、今回レストランを利用する度に、身に付けているハリーポッター関連のグッズに対して物語に沿った細かなメッセージ、例えば、「あ!マグル(人間)の世界では魔法は使わないでくださいね!」など、より物語に入り込んだ接し方をしてくれる印象を受けました。
これは、どちらが良いと言うことではなく、それぞれの個性が際立っていると思います。
緩いキャラクターグリーティング
TDRと言えばミッキーを始めとする個性的なキャラクターが人気。近年は更にダッフィーフレンズを加えて、変わらぬ人気を保っています。
そのため、TDLではキャラクターグリーティングが専用施設としていくつも存在し、それだけで大きなコンテンツになっています。
対して、USJではもちろんTDRに負けない個性的なキャラクターはたくさんいるものの、やはり一つ一つのキャラクターの認知度がそれほど高くない部分は否めません。
その為、パーク内あちこちで行われているフリーグリーティングでも、整理が必要なほどゲストが並ぶ事があまりありません。
ご覧のように、主要キャラクターであるウッドペッカーなどでも列はほとんどない状態。
こうしたキャラクターグリーティングの感覚は2つのパークで大きく異なっているように感じます。
閉園時間過ぎても普通に営業中?
2つのパークを比較して、大きな驚きがあったのがこちら。
パーククローズの時間となると、即ショップ等が閉まるわけでは無いですが、実質的には入店ができなくなるTDR。
TDRに慣れていると、「閉園時間前に買い物しなきゃ!」と、急いでゲート近くに向かいたくなりますよね。
ところがUSJでは閉園時間を過ぎても、まだまだ全然普通に営業しているショップが非常に多い事。
また、ショップ以外でも、実は閉園間際に「スパイダーマン」に乗りたくて、念のため前を通りかかったのですが、その時点で19時57分(この日は20時閉園)。
さすがにもう終わっちゃったかぁ…と思い、前を通りかかったら、まだゲストが数人建物の中に入っていく状態。
申し訳無さそうにクルーさんに確認した所、「全然まだまだオーケーですよ!どうぞどうぞ!」との事。
比較的空いてるアトラクションと言う事もあると思いますが、こちらも驚きの対応でした。
そして出口に向かうものの、まだまだショップは普通に営業している状態。周りのゲストも、それが「さも当然」と言うようにショッピングを楽しんでいる様子に驚きました。
この辺りの感覚がだいぶ違うように感じました。(同様のサービスが毎日保障されていると言う事ではありませんのでご了承ください。)
アトラクションキャストの気合の入り方
アトラクションの中には、キャストさんの案内や誘導があるものもあります。
そんな中感じたのは、「USJのクルーの方がリアクションや動きなどが大きい」と言う事。
わかりやすいのは、TDRでも「ジャングルクルーズ」がありますが、近年の同アトラクションは動物や自然保護と言うテーマに変わってしまったせいもあり、比較的「おとなしめのジャングル案内」になってしまった印象があります。
対して、USJの「ジョーズ」は中身のストーリーが全く異なりますが、ハイテンションで物語に入り込み、激しいリアクションと動きで案内してくれるクルーさんが見られます。
物語が異なるとは言え、やはりその方がこちらのテンションも上がってきますよね。
良くも悪くも? 何でも受け入れるUSJ
2つのパークの大きな違いの1つとしては、「アニメ等とのコラボレーションをどんどんやってくるUSJ」と言う印象があります。
対して「『ディズニー』と言う枠組みから外れる事ができないTDR」との言い方もできると思います。
ご承知の通り、USJでは人気アニメとのコラボを度々行い、人気コンテンツを積極的にどんどん取り入れていく傾向があります。
対してTDRは、やはりディズニーと言う世界的巨大コンテンツの中で、制約の多い部分もあり、その枠からはみ出る事ができないと言うのを感じます。
ただ、USJは「幅広く何でも受け入れる」と言う反面、テーマパークとしての個性と言うよりも、「コラボレーションする事が個性」となっているイメージもあります。
ただ、もちろんそうする事によって生まれてくる個性もあります。
こちらについては、どちらが良い悪いと言うことではなく、それも含めた両パークの個性と言えるでしょうね。
年間パスポートの金額の差
こちらは金額を比較すればその差は歴然ですが、「年間パスポートの金額の差」がかなり異なります。(USJでは「年間パス」との呼称)
高校生でもちょっとアルバイトをすれば買えるUSJの年間パス。一番安いタイプは¥19,819
(税込¥21,800)に対し、かなり高いTDRの年間パスポート。
現在(2022年8月1日現在)はTDRの年パスは休止中ですが、再開後には更にかなり高くなる事が予想されます。

(写真は2022年7月末現在。最新価格は公式HPでご確認ください。)
そのため、TDRの現在は「朝の入園時間前後にゲストが集中する」のですが、USJは「すべての時間帯で駅から大勢のゲストが向かってくる」事が多く、コンスタントに全ての時間で来客がある印象を受けました。
両パークとも単純比較はできませんが、再来園を促し、気軽に来られると言うのは、結果的に大きな収益にもつながる考え方なのかな…とも思えます。
ドリンクフリー券は混んでいても別に案内してくれる
USJでは、1人1500円でリストバンドを手につけて、1日ドリンク飲み放題の「ドリンク・リフィルフリー」と言うサービスがあります。
TDRも「バケーションパッケージ」には付帯しているものがありますが、これは同プランに申し込んだ人しか使えません。
対してUSJのこちらのドリンクフリー券は、セットメニューでも割引される優れもの。
更に長い行列ができているレストランでも優先的にそのドリンクフリー対象者はすぐに購入できる様に専用の列が設けられています。
公式サイト等には出ていない部分ですが、こうした配慮は非常に嬉しい所ですよね。
比較して、TDRではスーベニアグッズの販売日は、それを求めず、別のメニューを購入したい場合でも一緒の列に並ばされる事が多くあります。
こうした部分もゲスト側の立場に立って配慮されていると非常に嬉しいですよね。
園内BGMの音量が大きい
細かな部分ですが、両パークの違いを感じるのが、パーク全体的に流れているBGMの音量の違い。
そもそも音量以前に、流れているBGMが、USJでは「よく聞くメジャーな洋楽」が多くあります。
特にUSJのニューヨークエリアでは、陽気なアメリカンミュージックが、TDRよりも2〜3割くらい大きめの音量で流れています。
こんなところも2つのパークの「ノリ」の違いを感じました。
クルー撮影時はマスクを外してもOK
まだまだ感染の止まらない新型コロナウイルス。当然、両パークともマスクは必須ですが、USJでは「マスクフリーゾーン」言う、マスクをしなくても良い休憩エリアがあります。
また、頑なにTDRでは「撮影時もマスク必須」となっていますが、USJでは「クルーが撮影する時はマスクを外してOK」と言う状況です。
もちろん撮影するクルーさんなどはしっかりマスクをしていますが、逆にクルーさんの方から「(撮影時は)マスクとってもいいですよ!」言ってくれたりします。
もちろん感染対策に必要なマスクですが、家族やカップルで行く場合、撮影する時にマスクを外せるのは記念写真と言う意味では非常にありがたいですよね。
こうした臨機応変な対応を状況に応じて行っているのは助かりますね。(※状況によって異なる場合もあるようですので、撮影時は必ずクルーに確認してください。)
再入場ができない不便さ
TDRとUSJの大きな違いの1つとして挙げられるのは「USJは再入場ができない」言う事。(年間パス除く)
USJはすぐ目の前に「ユニバーサル・シティウォーク大阪」と言うたくさんのお店が並んだエリアがあります。
園内での食事は非常に高いので、食事は一旦外に出てから済ませると言う人が多かったため、2015年より一日券での再入場ができなくなったと言う点があります。
基本的には忘れ物をしたりしてもパークの外には出られないUSJ。
こちらについては、特に暑さ厳しい時期や寒い時期などはかなり不便さを感じる部分でもあると思います。
ゲスト思いの対応や対策をよく考えてくれているUSJですが、この部分に関してはなかなか厳しい対応と言う気がします。
…いかがでしたでしょうか。今回は【前回のハード編】 に続き、サービス面について両パークを比較してみました。
そして、次回は【その他編】と言うことで、2つのパークの細かな相違点等について述べていきたいと思います。