私達ゲストを楽しませてくれる、様々な「こだわり」がたくさん散りばめられている東京ディズニーリゾート。
しかし、夢や魔法だけでなく、しっかりと「現実」が必要なものもあります。ただ、そこはさすがディズニー。そんな現実も「ゲストに見えないように小さな魔法がかけられている」と言えるものもあります。
今回は、そんななかなか気が付かない、ちょっと変わった「同じだけど違うもの」をご紹介します。
この記事のもくじ
アトラクションやレストランなどに「必ずあるもの」
そんな今回の記事ですが、タイトルだけ見ると、一体何のことなのかわからないですよね。
そこでご紹介するのは、東京ディズニーリゾートの屋内施設にはほぼ必ずある、「あるモノ」。こちらを探してみるのもちょっと楽しいかも…と言ったお話です。
それは、屋内の建物にはほぼ全て設置されている、「熱感知器」や「スプリンクラー」。
上の写真は「自動火災報知設備」のひとつである、火災の場合などに熱や煙を感知してそれを知らせる「報知器」。
この感知器は「熱を感知するもの」や「煙を感知するもの」、「炎を感知するもの」などのタイプがあります。
そしてそれらの報知器と、実際に火災などが発生した場合に天井から水を吹き出して、即座に消火してくれる、「スプリンクラー」。その他にもスピーカーや非常用照明などが天井に設置されています。
「え?そんなものを探して何が楽しいの?」と思うかもしれません。しかし、ここにも「ディズニー流」の細かなこだわりが隠されているのです。
どこがディズニー流のこだわりなの?

こうした感知器などの設備は、消防法等の「法律で設置が義務付けられているもの」。特にディズニーだから…というわけではありません。
ゲストの安全を守るためのものなのはもちろんですが、これらのどこにこだわりがあるの?と感じますよね。
そこで注目して頂きたいのは、こうした感知器やスプリンクラー噴出口は、実は「それぞれの建物や内装に合わせて巧みにカモフラージュされている」という事。
例えば皆さんがパークの建物の中にいるとき、天井をじっくり眺める事はまずほとんど無いと思います。更に天井を見たとしても、特に何も感じない事も多いと思います。
これは、こうした報知器などがその建物の雰囲気や色に合わせて、色や質感が巧みに変えられて、目立たないようにカモフラージュされているからなのですね。
細部までこだわった「美女と野獣の城」
例えばこちらの写真は、東京ディズニーランドのアトラクション、「美女と野獣“魔法のものがたり”」の城に入る手前の部分。
特に誰も何も気にしない部分だと思いますが、ちょっと天井部分を見てみると…?
一見何もない天井ですが、天井に丸い形のものがいくつかあるのが見えます。上の写真の右側は先ほどもご紹介した「感知器」。そして左側はスプリンクラーの噴出口です。
ひとつ前の写真をもう一度見ていただきたいのですが、こうして木目や色に併せて、その雰囲気を壊さないためにわざわざ目立たない様に色を変えているのですね。
しかもこれらの機器は一般的に販売されているものは、ほとんどが「白」一色。
ディズニーパーク内で見られるものはそのためにわざわざ塗られているものだと思われます。
グランマ・サラのキッチンはさらに細かくカモフラージュ
これらの機器ですが、同じくディズニーランドの「グランマ・サラのキッチン」ではさらに細かくカモフラージュがされています。
例えば1階部分はこちらのレストランを建設した、「ビーバーブラザーズ」の建設の腕前がまだ未熟だった時に作られた…と言う物語があります。
【参考記事】
■「グランマ・サラのキッチン」に隠れた様々なストーリー【1】
■「グランマ・サラのキッチン」に隠れた様々なストーリー【2】
その為、特に一階部分は土や岩の部分や、木の根が見えていたり、天井を支える「梁(はり)」がいいかげんだったり…と言う様子が見られます。
しかし、そうした部分の異なる色などの雰囲気を壊さない様に、しっかりと細かく色分けがされているのです。
例えば上の写真は、梁の部分にあるスプリンクラー。わざわざまわりの色に併せているのがわかります。

そしてこちらの上の写真は出口近くの天井部分。こうしたわずかな一部分のためだけに色が合わせられているのですね。
こうして様々な色や質感にまでこだわって塗られたスプリンクラーなど。意識して探してみないと、まず見つけられないとも言えます。
今回ご紹介したのはほんの一部分ですが、パーク内には様々な場所でこうした「ディズニーらしい技法」が使われています。
こうした、「言われなければ気にしない」、「言われてもわからない」と言うような非常に細かなところにまで、その雰囲気を大切にするディズニー。
隠されているものをわざわざ探すのもちょっとおかしな話?ですが、ぜひそんなこだわりも探してみてくださいね。