「グランマ・サラのキッチン」に隠れた様々なストーリー【2】

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さて、パークの楽しみといえばアトラクションやショーがまずありますが、欠かせないのはやっぱり食事。2つのパーク内には個性的なレストランが数多く存在します。

おもしろいのはそのテーマランドやエリアの物語に合わせたメニューだけでなく、細かな物語やこだわりのプロップスなどがあるのも魅力のひとつですよね。

もちろんこれらの話やこだわりは知らなくても食事は楽しめますが、知っているとちょっと食事のしているだけではなかなか分からないものもありますが、今回はそんなところをご紹介していきます。

ディズニーランドのクリッターカントリーにある「グランマサラのキッチン」。静かで程よい照明のこのレストランではゆっくり落ち着いて食事が楽しめますが、細かな物語も隠れています。今回は前回の「「グランマサラのキッチン」に隠れた様々なストーリー【1】に続いてご紹介します。

いい加減な作りの一階にはグラグラ動く石がある?

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前回の記事でお伝えした様に1階と2階で造りが違うこのレストラン。ここを作ったビーバーブラザーズの技術がまだ整っていなかった時に作られた1階部分、これはこれで味わいのある感じになっていますが、実はこの1階にはまだ彼らの未熟さを表すような場所があります。

それは一階のレジカウンター向かって左側の後方。食事を注文し、受け取ってからそのまま後ろの座席があるエリアに移動しますが、その時正面やや左ぐらいにある柱にご注目。(上の写真の矢印)

ここには「石を重ねて作った様な柱」がありますが、なんとなく重ね合わせただけで、いい加減な作りになっています。

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実はこの詰まれた石の中に、「1つだけグラグラと手で動かせる石」があるのです。見ただけではそんな風になっている事は分かりませんので、まずほとんどの人が気づかない場所です。

これはまだ未熟だったビーバー兄弟が残した欠陥。設計図が間違っており、大黒柱なのに短く切ってしまい、石を継ぎ足したのですが、結局隙間に「大きな石」をねじ込んでごまかしているためです。

もちろん、実際には崩れ落ちるような事はありませんが、こんなこだわりがあるのも楽しいですよね。ただ、この場所に他の方が座っているとちょっと確認できない場所なので、様子を見ながら次回行かれた時はぜひ確認してみてください。

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覗き込まないとわからない?トロフィーやカップなどが飾られた棚

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細かな物語が隠れているこのレストランですが、更にもう少し細かなお話が詰まっている場所があります。それは一階部分、前述の「グルグル回る石」のある場所からさらに奥に入った場所。

奥にある長テーブルの近くにあるものです。一見普通の「食器棚」の様に見えます。ここはレストランですから、ある意味当たり前…という気もしますが、実は違うのです。近づいて中を覗いてみると…?

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泡やキズが入っており、あまり精度のよくないガラスが使われてるのでよく見えないのですが、中には食器ではなく、「トロフィー」の様なものが並んでいます。

これは実は食器ではなく、このレストランを建設したビーバーブラザーズが様々な建設関係の表彰でこれまでに受賞したトロフィー等なのです。

2階は整った作りですが、1階は未熟だった頃の様子があり、動く石やいいかげんな造り。しかしながらその後は努力で成功し、こうした賞も受けた…というこんな物語が隠れているのもディズニーらしさですよね。

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食事の時間になると煙が出る煙突

ここは細かなこだわりがあるレストランですが、他にも誰にも気づかずひっそりとこだわりが隠れている部分もあります。

それはレストランの外、何カ所かにある煙突。一見何の変哲もない煙突ではありますが、実は「小さな変化を見せる時間」があります。

それは食事の時間。お昼は12時前後の時間、夕方は6時前後の時間になると、この「煙突から煙が出てくることがある」のです。

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これはもちろんサラおばあちゃんが食事を作っている時間だから。この煙突、もちろん煙突ですから結構と高い位置にあり、気にしていないとなかなかわからない場所にあります.

タイミングが合わないとなかなか見られないかもしれませんが、お腹が空いたら、ちょっと上を見上げてみてくださいね。

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階段下でのんびり眠るおじいちゃんの若かりし姿。

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レストランの屋外から入ると、階段を下って一階のレジカウンターに向かいますが、この階段の下部分、隅っこに隠れるようにしているので目立ちませんが、ここで眠っているクリッターが。

これはサラおばあちゃんのダンナさん。大好物のチェリーパイを食べながら、本を読んでいるときに眠ってしまった様ですね。お店はサラおばあちゃんに任せてのんびり寛ぐおじいちゃん。

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しかし、そんなおじいちゃんの昔の凛々しい姿が見れる場所も…。それは二階部分、エレベーターの左脇にある座席の更に左側には暖炉があります。

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ここには若かりし頃のこのおじいちゃんの姿が…。鋭い目つきと整った衣装が印象的。この2人がまさか同一人物なんて、なかなか気がつかないですよね。

…あ、でも気持ち良さそうに眠っているので、起こさないであげてくださいね。

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そしてかなり細かい雑学ですが、このおじいちゃんが持っている本にご注目。本のタイトルは「クリッターテイル(Critter Tails)」。これは直訳すると、「クリッターの物語」となる…と思うのですが、実は違います。

よく見るとつづりは「物語」の意味がある「tales」ではなく、「tails」となっています。この「Tails」とは「しっぽ」の事。これは似た言葉をあてたジョークなんですね。

そして、この本は「クリッターのしっぽの話」という事になるのですが、この「尾の話」が転じて、「おもしろい話」という意味も含んでいるのです。これはなかなか気がつく事のないジョーク。こうしたこだわりも実に尾もしろい…おっと!面白い…ですよね。
 
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小さなこだわりが随所に。トイレのプレートを良く見ると…??

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落ち着いた雰囲気のこちらのレストランですが、細かなこだわりはまだまだあります。ほとんどの方が気にしない場所ですが、実は1階奥にあるトイレの扉にも小さなこだわりが。

こちらの入口のプレートを見ると、「WOMEN」のプレートにはサラおばあちゃん、「MEN」のプレートにはおじいちゃんの姿があります。なかなか気にしない部分ですがこんな所もこだわりがあるんですよね。

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また、小さなお子さん向けのギミックとしては、このレストランはあちこちに小動物の家があります。気にしていないと意外に見落としてしまいそうな場所にもあるのですが、こんな所を探してみるのも楽しみの一つですね。

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