幅広いゲストが楽しむことができる東京ディズニーリゾートの両パーク。特にディズニーランドで行われているパレードについては、園内の広範囲で行われるため、それほど待たずにその雰囲気を楽しむことができます。
しかし、そうであるが故に、いくつかの問題もあります。今回は近年何度か見られる「パレードへの一般ゲストの乱入」について考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
繰り返される一般ゲストの乱入事件
パークに詳しい方ならご存じだと思いますが、ディズニーランドのパレードは、一般的な形としては、ファンタジーランドの「ホーンテッドマンション」の脇から出発し、ウエスタンランド、シンデレラ城前の広場(プラザ)を通り、トゥモローランドからトゥーンタウンを通って帰っていく形です。
これまでネットニュースになった事もありましたが、昨年2022年12月13日、東京ディズニーランドで開催されていた「ディズニー・クリスマス・ストーリーズ」に男性が乱入した事がありました。(詳細は下記記事参照)
そして今回話題となったのは、現在実施されている今回の「スプーキー“Boo!”パレード」にもゲストが乱入したと言う事件。
こちらはTVのニュースなどで取り上げられる程の大きな事件にはなりませんでしたが、パレードを鑑賞している方にとっては衝撃の出来事となりました。
悪意は無く間違えて乱入した可能性
昨年も話題になっていたゲストのパレードへの乱入事件。前回の事件では男性がパレードのフロートの前に現れ、フロート(車)を停止させるような形になりました。
この時は男性キャストが乱入ゲストを取り抑え、大きな事故等にはなりませんでしたが、動いているフロートの前に出てくるのは言うまでも無く、大変危険な行為でもありました。
パレード乱入目の前で目撃した妹から動画送られてきた草 pic.twitter.com/0ejIkUY1BP
— n ! (@naaaaaaa_pluto) October 10, 2023
しかしながら、今回話題となったのは、「スプーキー“Boo!”パレード」が停止してショーモードに入っている間の出来事です。
現地で撮影していた方のツイートなどを見る限りでは、ダンサーが手招きするような仕草を行っており、それにつられて女性が乱入し、一緒に踊ろうとしていた様にも見られます。
どちらも非常に気になる一般ゲストの乱入ではありますが、その形はだいぶ違うようにも思えます。
そもそもパレードは参加型ではない
まず、東京ディズニーランドのパレードに共通しているのは、基本的に「フロートが通過(停止)するもの」を「ゲストが座りもしくは、立ち見で鑑賞する」と言う形です。
今回は久しぶりに停止してショーモードになるシーンがありますが、ゲストが通路上に出てくる形ではありません。
例えば、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で開催されているパレード、「NO LIMIT! パレード」では、途中で停止した際にゲストもパレードルート上に出てきて、一緒に盛り上がって踊る…と言うシーンがありますが、現在の東京ディズニーランドのパレードはそうした形ではありません。
ただ、今回に関しては、乱入された方が外国人ゲストの様にも見える為、そうした参加型のパレードであると勘違いしてしまった可能性もあります。
過去には参加型のパレードも存在していた
現在、「ゲスト参加型」の形にはなっていない東京ディズニーランドのパレードですが、過去にはゲストもパレードルートに出て、一緒に踊ることができたイベント(2003年「ブレイジング・リズム」、2007年「ホーンテッド・ロッキン・ストリート」等)もいくつかありました。
しばらく開催されていませんが、こうしたゲスト参加型のものも復活してくれると楽しいかもしれませんね。
ただ、特に東京ディズニーランドでは、ミッキーなどの人気キャラクターにゲストが集中してしまう可能性があるため、安全面などを考えると、現在は簡単に実施する事はできないとも思われます。
前述のUSJのパレードは、道幅やその周囲にも比較的余裕がある場所が多いため、多くのゲストとダンサー、フロートが入り混じってもそれなりに安全が確保されていると言う理由もあるのかもしれません。
危険な行為だが、過剰な反応には注意も
今回乱入したゲストの方は、X(旧Twitter)の情報を見ると、「日本の方ではなかった」と言う情報も飛び交っています。
また、悪意があるわけではなく、ダンサーにつられて「ついバレードルートに出てきてしまった」と言うようにも見えます。
本人からすれば楽しく参加できるパレードだと思っていたのかもしれません。
もちろん、だからと言ってそれが許されることでは無いのですが、近年はインバウンド需要の高まりもあり、パーク内には様々な国の方が多く見られます。
言うまでも無く、文化や習慣の違いなどから、こうした事が起きてしまう可能性も近年は高くなってきていますが、それ以外にもそうした多動性のハンディキャップを持った方もいると言うケースもあります。
特定の国籍や行動パターンなどを先入観から決めつけるような言動には充分注意したいところですね。
完全に抑制することはできない乱入
こうしたのエンターテイメントの乱入と言うと、2010年の東京ディズニーシーで行われていた「“Be Magical!”」のショーの途中にダンサーの姿を模した一般人が突然現れ、一緒にしばらくダンスをし続けていた…という事件が思い出されます。
こちらのケースに関しては、「完全に悪意のある行為」であり、この時は「一般ゲストに扮したダンサーが途中から登場する」と言う演出であったため、逆にそれを利用した、自分勝手で非常に悪質なものであったと考えられ、これは許されるものではありません。
また、今回の乱入に関して、周辺のキャストやセキュリティーが止められなかった事について、批判するような声も聞かれます。
しかし、大勢のゲストが集まるパレードでは、意図的に乱入しようとする人を防止する事は不可能に近いと言えると思います。
しかしながら今回の件などを受けて、その管理体制は何かしらの対応や改善が考えられる可能性はあると思います。
「お互いの気使い」で快適な鑑賞環境を
こうした問題が起きるとそれなりの対応が求められることもありますが、現実的にはなかなか対応としては難しい部分があります。
シンプルな対応策としては、場内アナウンスなどが効果的かもしれませんが、多国語で様々な案内をすることは現実的には難しいですし、そもそもそれをしっかり聞いているかどうか…と言う危惧もあります。
しかしながら、最近よく言われるのはパレードルート上などで整理を行うキャストの数が減っているのでは…と言う状況。
こちらに関しては、過去と比較すると否定できない部分もあり、より安全・安心に楽しめる環境を作るためには、それなりの人員配置も必要になってくるのかなと感じます。
なかなか有効な対策と言うのはありませんが、私達ゲストができる事は、安全安心な鑑賞の環境を守るために自分たちのグループや仲間がそうした問題行動を起こさないか監視することしかできません。
もちろん、それが具体的な解決策ではありませんが、「自分だけが楽しめればいい」と言う事ではなく、周りの方への配慮や気遣いを忘れず、そうしたルールやマナーを守る雰囲気を保って行きたいものですね。