【ファンタジースプリングス】正式公開前のテスト運営で物議。何が問題?どうすればいい?

ライター:

2024年6月6日からグランドオープンとなる東京ディズニーシーの新エリア、ファンタジースプリングス。

既に正式公開前に懸賞系のプレビュー等が実施され、また一般向けに誰でも自由にエリアに出入りができる「テスト運営」が実施されました。

特にこのテスト運営に対して、既に高額のチケット等を購入した方から一部不満の声が上がっています。何が問題なのか、どうするべきなのか…について考えてみたいと思います。

※本記事には2024年6月6日正式公開前の同エリアのネタバレ写真などを含みます。ご注意ください。

正式公開前に限定公開が実施

正式には6月6日に公開される同エリア。しかし、既にプレス向けや芸能人、インフルエンサーを招いての限定公開が行われました。

特にインフルエンサーを招待する事については今回初めてのケースであり、その選定基準などについて物議がありました。

しかし、新コンテンツの導入時にこうした事前公開が行われる事自体は特に珍しい事ではありません。

そんな中、5月16日と20 日には予告も無く、専用チケットなどがなくても、その日にシーに入園すれば誰でもフリーに新エリアに出入りができる「テスト運営」(一部スニークと呼ばれる事も)が行われました。

しかし、今回がこれまでと異なるのは、既に「正式公開前にひと足早く」と言う謳い文句で、高額なバケーションパッケージや、会員ファンサイトのファンダフルディズニーで、一人約25,000円の高額チケットが抽選販売されていた事。

そのため、既にそれらを購入していた人達の不満がネットやTwitter(X)に投稿され、話題となっています。

現実的には「絶対必要」なテスト運営

今回の件について、特にXで話題になりましたが、このテスト運営は「正式公開前にアトラクションやレストランなどの施設も含め、各種機材の確認や様々なキャストのオペレーションなどを確認するために必要なもの」です。

これまでも新アトラクションなどが完成すると、正式公開日の前に必ずテスト運営が行われてきました。

もちろん、その日程については事前に公開される事はなく、通常は普通に知る事はできません。

その施設の規模や内容によって変わりますが、アトラクションであれば、概ね正式公開日の2〜3週間前には関係者のプレビューなどが実施され、一般に解放されることがあります。

これは正式開始後にトラブルなどが発生しても迅速に的確に対応できるようにする為、必ず必要なものでもあるのです。

今回は何が問題だったのか?

そんな中、なぜ今回ネット上で炎上に近い騒ぎになったのでしょうか。

色々な要因はありますが、まず大きいのは今までは今回のファンタジースプリングスの様に、「有料化されている事が無かった」と言う事。

今回問題なのは、「公開前にいち早く楽しめる」といったバケーションパッケージなどの謳い文句でかなりの高額商品が販売されていました。

しかし、このテスト運営は当日のシーに入園してさえいれば誰でも入場が可能と言う状態であったことで、既に高いお金を払って購入していた方から不満が出たと言う形です。

これはテストが必要だとしても、心情的にはやはり高額でチケットなどを購入した方にとっては納得しにくい状況ではあるとも言えます。

コロナ以降、ゲスト層が新しくなった事も要因か

今回の騒動で、昔からパークをよく知る方は、こうしたテスト運営が行われる事は「周知の事実」であり、今回も「いつもと変わらない事」と言う理解をされている方も多くいます。

しかし、特にコロナ禍以降、大きくゲスト層が入れ替わった印象もあります。

またパーク側も冒頭でお話ししたように、パークにそれほど詳しくない一般層を取り込むためにInstagramのインフルエンサーの方を招待するなど、これまでと状況は大きく変わってきているともいえます。

そのため、過去のそうした状況などを知る方も少なくなってきており、大きな話題になってしまった…と言う部分もあると思います。

「プレビュー」の意味が不明確

今回話題となったもう一つの原因は、バケーションパッケージ等で使われている「プレビュー」。こちらには「一足先に」言う文言が入っています。

この言葉は一般的に捉えるならば、「誰よりも先に」と言う感覚を含んでいると思います。

もちろんその付加価値は大きなものであり、「オープン前に早く体験できる」と言うのは魅力的で、「その特別感に課金した」言う意識の方も多いと思います。

しかし、それらの課金勢よりも先に行われた今回のテスト運営。パーク側としては、今回の誰でも出入り自由なテスト運営は「あくまで本番前のテストであり、本番ではない」と言う認識なのかもしれません。

ただ、そこに「テスト運営」と言う明確な言葉で表現をしていなかったため(現実的にはテスト期間にはトラブルが多く発生する印象ですが)、課金していない人が、問題なく楽しめてしまう…と言う所は「違和感が無いとは言い難い」とも感じます。

注意書きが曖昧だったのも原因か?

また、パークのファンクラブの「ファンダブルディズニー」でも会員向けに同様に約25,000円のチケットが抽選販売されました。

そのチケットは待ち時間なく何度もアトラクションを楽しめると言う、一般入園とは異なる特典があるものです。しかし、やはり心情的には先に多くの方が入園できているのは気になる所ですよね。

また、このチケット販売時の注意書きとして、対象日に「メンバー以外の方が入園する場合もある」といった記載がありますが、具体的にはあまり詳しくは書かれていません。

この様に、バケパや高額チケットを購入した人に明確な説明をしていない事もその不満の要因であるとも思います。

また、誤解を招く最大の要因は「そもそもプレビューとは何なのか」が明確化されていない所だと思います。

例えばバケパやファンダフルのチケット販売時にも、その注意書きに「事前にテスト運営が行われる場合がある」といった但し書きがあれば、ある程度は今回の不満などは防げたのかもしれません。(それを見て事前にゲストが押し寄せてしまう別の課題はありますが)

テストして完璧な状態にしてからの公開を待つ

今回の事前に行われたプレビューについては、お話しした通り、これまでも必ず行われてきたものです。

逆に高額のチケットなどを購入した方がトラブルなく、一日しっかり楽しむためにはテストをする事は絶対に必要です。

また、今回の一連の話題は、リアルタイムで情報が伝わるTwitter(X)もこうした騒動の原因のひとつになっている様にも感じます。

ここまでSNSが浸透していなかった頃は、こうしたテスト運営などの「自分が得になる情報」は、「極力、人には話さないと言うことが一般的」だった時代があります。

しかしながら、近年はそれとは「逆」の状態になっており、やはりいち早く他の人より、そうした情報などをつぶやいて、承認欲求を満たしたい、いいねが欲しいと言った隠れた欲求も、今回の騒動が大きくなった原因の1つでもあるような気がします。

しかし、こればかりは時代の流れであり、防ぐことはできません。一番良いのは事前の情報を自ら遮断することではありますが、なかなか現実的にはそうもいきません。

大切なのは、そうした状況の中で「周りを気にせず、自分だけの楽しみを探していく」と言うのが正解の様な気がします。

…何度も触れている通り、正式にファンタジースプリングスが公開するのは2024年6月6日。

今後もそれまでにテスト運営や事前公開される事もあると思いますが、「あくまで本番前のリハーサルであり、完璧なものではない」と言う理解をしつつ、その歴史的な日を待って楽しみたいものですね。

ABOUTこの記事を書いた人

DヲタのWEBライター。TDRハックの他に、 個人ブログ「TDRな生活」や「株式会社ぴあ」の「ディズニー特集 -ウレぴあ総研」で多くのTDRにまつわる記事を執筆。7冊のディズニー関連書籍の著者でもある。近著に「ひとりディズニー50の楽しみ方」 (サンクチュアリ出版 )。…慌てず急がず、ゆっくりゆったりとパークを散策しながらお酒を楽しむのが好きです。

コメントする(メール・名前・サイトは入力任意)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください