アトラクション別傾向&攻略法【カリブの海賊】その3

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大小様々な種類のアトラクションが存在するディズニーランド。色々なタイプのものが多くありますが、人気映画になるといった特に個性的なものも存在します。

そんな中、知っていると少しだけ得するポイントやアトラクションを楽しむ上での攻略法などについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。

今回も前回に続き、アドベンチャーランドのアトラクション、「カリブの海賊」についてご紹介します。

少しマイナーなイメージですが…?実は細かな雑学が満載のアトラクション!

その建物外観からは見えませんが、実は広大な敷地をボートでゆっくり進むこのアトラクション。ボートの速度は約0.7m/秒の設定で、赤ちゃんのハイハイする速度よりも遅いくらいで進みます。

このボート、実は正式には「バトー」(フランス語)という名称です。ちなみに建物に入ってすぐ右側には水路を進むボートが並んでおり、ゲストはこれからこれに乗って進んで行く事になります。

このボートですが、よく見ると船体前部の脇にはそれぞれ違う文字が書かれています。例えば、「Simone(シモーネ)」、「Chirstine(クリスティーヌ)」、「Claire(クレール)」…と言った感じ。

これは実は全て「女性の名前」なんです。海賊達が自らの無事を祈って船体に彼女や奥さんの名前を書いていた事に習っているんですね。全部で38艘あるこのボートには全て異なる名前が書かれています。

ただ、この文字は乗り場に行く前、建物入ってすぐの位置でしか確認する事が難しいので、次回はぜひ探して見てくださいね。

ちなみにこの場所の左側(下の写真)には、混雑している時だけゲストが誘導される、少し豪華な部屋があります。この部屋には前回も触れましたが、実在した海賊ジャン・ラフィートの肖像画が飾られています。

貿易などにも長けており、商才も豊かだったラフィートは社交界でも顔が知られており、富豪の一人が支援者となって、この屋敷を彼は隠れ家としていたのです。

このエリアは混雑している時にだけしか入る事ができませんので、ある意味貴重な経験かも…?

また、その先、アトラクション建物に入ると乗り場手前の左側の壁には地図が張られています。右下には「isla tesoro」(スペイン語で「宝島」の意味)と書かれており、これからゲストが出会う冒険の場所が記されています。

また、ボートは進み、女性たちが縄でつながれているシーンがあります。これは海賊に捕まった女性がオークションにかけられているシーン。

しかし女性の中にはなぜか、少し喜んでいるような女性も?これは婚期を過ぎた女性なので、結婚できる事を喜んでいる様ですね。

また、なかなか気がつきにくいのですが、この場面には多くの動物や海賊が居るのですが、川の「左側にメス」、「右側にはオス」という様に分かれているんです。(オークショニアの海賊を除く)

そしてその先、町が火事になっているシーンがありますが、これは当時の海賊は、町を襲ったあと、最後に放火する事が常だったためです。

ちなみにその先では、映画にも登場する有名なシーン、3人の海賊が牢屋に閉じ込められており、鍵を持っている犬を必至におびき寄せようとしているシーンがあります。(下の写真)

これ、実は彼らは捕まったのではなく、自ら町に火を放ったのに、ラム酒で酔っ払ってさまよっているうちに、自分たち放火した火に追いやられて、牢屋に閉じ込められてしまった…という物語なんです。

また、話は戻って、この火事のシーン終盤、ゲストの上の石橋で、大きな酒瓶を持った、酔っ払った海賊が1人います(下の写真)。彼は小説・映画の「宝島」に登場する海賊の「ジョン・シルバー」(架空の人物)であると思われます。

彼は左足を失っており、ボートからは見えませんが、側にはシンボルとも言える、オウムの「フリント船長」が居る事から、おそらく彼であると察せられます。…なかなか気がつかない場面ですが、こんな演出も楽しいですね。

海賊の悲しい末路…。ゲストは落下とともに時間をさかのぼる…。

このカリブの海賊はゲストは乗り場を出発し、しばらくして急流を下ります。意外に知られていない事かもしれませんが、実はこれは「時間を遡るタイムスリップ」を意味しているのです。

ボートが進んでいきながら、「時間が前に戻っている」という事になります。最初に急流を下ったところは16世紀末の世界。先程の地図にも書かれていましたが、「デッドマンズ・コーブ(死者の入り江)」」と呼ばれる場所です。

ボートが落下して間もなく、右側には砂浜で骸骨になり、朽ち果てた海賊の姿があります。近くに宝箱やスコップが刺さっているところを見ると、彼らは宝を埋めるためにここにやって来たのですが、仲間割れなのか、若しくは何者かに殺されてしまったのか…。

この辺りでは呪文の様に「Dead men tell no tales…(死人に口なし)」という静かで不気味な声が響いています。その先には財宝の山の上で息絶えた海賊が…。

最後には全て無くなり、砂漠で無残に朽ち果てていく海賊。…このアトラクションでは、ゲストは海賊の「最後」を「最初」に見ることになるのです。

明るく賑やかで陽気な彼ら。どこか憎めない海賊達ですが、実はちょっと切ないこんな物語が隠れているんです。…そんな物語を思い浮かべながら乗ってみると、いつもとはちょっと違ったカリブの海賊になるかもしれませんね。

ABOUTこの記事を書いた人

DヲタのWEBライター。TDRハックの他に、 個人ブログ「TDRな生活」や「株式会社ぴあ」の「ディズニー特集 -ウレぴあ総研」で多くのTDRにまつわる記事を執筆。7冊のディズニー関連書籍の著者でもある。近著に「ひとりディズニー50の楽しみ方」 (サンクチュアリ出版 )。…慌てず急がず、ゆっくりゆったりとパークを散策しながらお酒を楽しむのが好きです。

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