様々な楽しみ方がある東京ディズニーリゾート。写真や動画を撮るだけでも楽しめます。
特に若年層を中心にTikTokなどの動画サイトへの投稿も人気ですが、度々話題になるのが、パーク内での撮影について。
今回は「何が良くて何がダメなのか?」「どんな事が問題になるのか?」…などについて考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
パーク「を」楽しむから、パーク「で」楽しむへの変化
様々な魅力あるコンテンツがたくさんある東京ディズニーリゾート。
それらの「パークのコンテンツ『を』楽しむ」事はもちろんですが、近年では「自己表現の場としてパーク『で』楽しむ」と言う傾向が増えてきています。
わかりやすく言えば、TwitterやInstagram、そしてTikTokやYouTubeの画像や動画等を撮る事など。
色鮮やかなパークのグッズやフード、キャラクターコーデや様々なファッション、そして個性的なダンスや躍動感のある写真や動画…。
いわゆる「映え」を意識した写真や動画を撮りながら楽しむ…と言ったパークの過ごし方も近年の傾向となっています。
これは高性能化したスマートフォンやウエアラブルデバイスの普及に依る所が大きいですが、同時にこうした傾向の普及で、パーク内でも度々「話題」になる事が増えてきています。
何が「問題」になるの?
そんな中、パーク界隈の話題として度々あがりやすいのが、パーク内でのこれらの撮影についての様々な問題。
まず、何が問題になるのか?について、独自にまとめてみます。
【パーク内でのいわゆる「映え」撮影についての問題】
(1)(城前等に滞留して)パークの美しい景観を損ねる
(2)通行の邪魔になる
(3)乗ってはいけない場所などに乗る
(4)撮影の為に特定の場所を長時間占拠する
ポイントとして、これらの理由があると思います。まず、(1)に関しては、例えばランドのシンデレラ城前に座り込んで撮影する事で、パークの美しい光景に影響を与えているのでは…と言う意見。
(2)はそれに併せて地面に座り込む事で通行時の邪魔になったりする事。

現在は撤去されてしまった木箱
(3)はわかりやすいのは以前トゥーンタウンのダウンタウンエリアにあった、「木箱」の上に座ったり、足を乗せてはならない場所を踏んで撮影するゲストが増えた…等が上げられます。
直接の因果関係はわかりませんが、この木箱はその後、撤去され、現在は無くなってしまいました。

「子供の遊び場が無くなってしまった」という意見も
そして、(4)はそれなりに納得いく撮影する為に、その場を長時間占拠してしまう事になる…と言う問題。
主にこれらの意見が、度々Twitterやネットでは散見されており、実際にパーク内でもそうした場面に遭遇する事もよく見かけます。
話題になった動画の問題点は?
そんな中、最近話題になった動画は、パークに登場するキャラクター(フリーグリ)と一緒にダンスするショート動画。
撮影時の背景や経緯についての詳細はわかりませんが、「踊るゲストの背後にキャラクターが写っている」と言うもの。
中でも、あるひとつの動画では踊るゲストの背後にいるキャラクターがメインではなく、あくまで「主」は踊っているゲストで、「従」として背景の一部の様になっている…という風に見えるものがありました。
これに関して、ネット上の意見は「貴重なグリ時間がもったいない」「場所を占拠して通行に支障があるのでは」「キャラクターが引き立て役になっている」等と言った意見が見られました。
ただ、「過剰反応し過ぎなのでは?」「気にしているのはDヲタだけ」と言う意見も同様にあり、賛否両論の状態になっていました。
確かに上記で触れた、「通行の邪魔になる可能性」や「撮影の為に特定の場所を占拠している」様にも見え、様々な意見が見られました。
なぜ嫌悪感を抱かれるのか?
今回の話題となった動画だけに限らず、これらの行為は、パーク内のルールや法的に問題がある行為ではありません。ではどこに問題があるのでしょうか。
これはシンプルに、ゲストを楽しませてくれるパークのコンテンツのひとつではなく、自己表現の場としてパークやキャラクターが使われているという部分にあると思います。
ただ、それ自体は「考え方」の部分なので感じ方に差がありますが、具体的な問題としては、そうした行為が「周囲のゲストに迷惑をかける可能性がある」と言う部分にあると思います。
また、ゲストを楽しませてくれるために登場するキャラクターを、いわゆる自己顕示欲の為に「道具の様に使っている様に見える」といった点が気になる方が多い様に見受けられます。
様々な意見がある中ですが、中でもいわゆる「Dヲタ」と呼ばれる、コアなファン層からの厳しい意見が多いこうした撮影や投稿。納得できる部分も多いと感じます。
…しかし、今回のケースだけに限らず、そうした意見も理解できる中ではありますが、「パークで日常的に行われている事」についても併せて考えてみる必要もあるかもしれません。
他の行為と比較してどうなのか?
ここで客観的にこの状況を考えてみたいと思います。例えば、前述した「パークの美しい景観を損ねる」や「通行の邪魔になる」と言う部分について。
これらはそうした撮影などが、物理的にそうなってしまう可能性はありますが、それでは例えば、「ショーやパレードを長時間座って待つ」と言う行為についてはどうでしょうか。
公式ではエンターテイメントを待つ場合は「一時間前から」とのルールがありますが、実質的には何時間前からでも希望の場所で待てる状態です。
これも見方を変えてみれば、「パークの美しい景観を損ねる」や「通行の邪魔になる」とも言えます。
また、撮影時に乗っていけない場所に乗ったり、長時間場所を占拠する事は論外ですが、「撮影をする」と言う行為自体は、ファミリーが微笑ましいスナップ写真を撮るのと同義で、過剰に反応する傾向があるのも事実であると感じます。
「いつもの光景」なので慣れてしまって問題が無い様にも見えますが、景観や通行に支障が…と考えるならばそうした問題もあるという事は意識した方がいいのかもしれません。
「新しい楽しみ方」を認める必要も
そんな中、こうしたシンデレラ城前での滞留して撮影する事や、いわゆる「映え」写真を撮影する事について、否定的な考え方を持つ傾向も多くあります。
確かに、「パークをじっくり楽しみたいゲスト」にとって、「パークを自己表現の場として使う」と言う事に違和感があるのもよくわかります。
しかしながら、パークの楽しみ方は時代と共に変化しているのも事実。こうした「新しい楽しみ方」をするゲストもそんな象徴でもあり、幅広い楽しみ方を許容していく事も必要と言えるでしょうね。
特に現在はスタンバイパスやエントリー(抽選)方式が増え、過去の様に好きなタイミングで好きな事ができないパークになっているのも事実。
そうした中で、こうした「パーク『を』楽しむから、パーク『で』楽しむへの変化」もお互いが認め合い、配慮をしながら楽しむ…と言う考え方も必要なのかもしれませんね。
「自由」と「配慮」の境界線を大切に
度々話題になるこうしたお話。様々なケースが存在するので、一概にまとめて結論付ける事は出来ないとは思います。
しかし、要は大きなポイントとなるのは「周りのゲストやキャストに直接的に迷惑をかけていないか」と言う所だと思います。
せっかくの東京ディズニーリゾート行ったのなら「楽しい思い出」を持って帰りたいもの。
ただ、自分が楽しみたいために周囲の人間に迷惑を掛けたり、嫌な想いをさせてしまったら、その人の「楽しい思い出」を削ってしまう事になってしまうかもしれません。
いずれにせよ、多くのゲストが訪れるパーク。お互いが「自分の中の常識」だけを振りかざすのではなく、ゲストの数だけ存在する楽しみ方をお互いが気を使いながら過ごせたらいいですよね。