何度訪れても新しい感動や感激がある東京ディズニーリゾート。
いつでも好きな時に行ける年間パスポートが魅力ですが、新型コロナウィルスによる影響で年間パスポートは休止したまま約3年が経過しています。
年間パスポートの復活はあるのか、あるとすればいつ頃なのか?そもそも復活の可能性は?等について考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
3年間も休止したままの年間パスポート
1年間好きなときに好きなタイミングで、好きなだけ行ける年間パスポート。遊園地や動物園、テーマパークなど、ほとんどのレジャー施設に存在します。
もちろん東京ディズニーリゾートも販売されていましたが、新型コロナウィルスよる休園、そしてその再開後は「入園制限をする目的」のため、その販売が休止されています。
しかし、現在は政府や自治体による行動制限は緩和され、様々なエンターテイメント業界ではほぼ元通りに戻っているとも言えます。
そんな中、各レジャー施設などが次々に年間パスポートを再開する中、東京ディズニーリゾートだけは頑なにその再開をしない状態が続いています。
再開しない理由は何なのか?
単純比較はできませんが、例えば「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」などを始め、各テーマパークなどはほとんどの場所で年間パスポートが再開されています。
そんな中、なかなか再開しない東京ディズニーリゾート。その理由を冷静に考えてみると、やはり「収益重視の姿勢」が明確に浮かび上がってきます。
もちろん、収益を求める事は当然の事ですし、コロナ休園による減収減益はパークを運営するオリエンタルランドにとって、かなり大きなダメージとなっています。
それに加えて、新エリア「ファンタジースプリングス」の開発等にも巨額の費用がかかるのは明白。
具体的な数字を見てみると、コロナによる休園前とコロナ再開後のパークとでは一人当たりの売上高が上回っているなど、現状では年パスを再開しても、収益に大きな影響がないと判断されているからであると考えられます。
パークは年パスユーザーをどう考えているのか?
もちろんいくら「夢と魔法の王国」であるディズニーランドであっても、それを運営するオリエンタルランドは一企業である事に変わりはありません。
しかし現実的に、具体的にはそうしたこれまでの年パスユーザーを同社はどう考えているのでしょうか。
そんな中、先日1月31日に発表された、同社の公式サイトの「最新IR資料ダウンロード」にある、「2023年3月期 第3四半期決算電話説明会 質疑応答」の中に「興味深い文言」があります。
この中のひとつに、株主から「年間パスポートの今後の方向性や考え方を伺いたい」と言う質問に対し、同社は「過去の年間パスポートのユーザーはかなりの頻度でご来園されていたため、現状の入園者数を制限している体制においては、従来の枠組みでの再開は難しい。」と返答しています。
更に「一方で、年間パスポートのユーザーはコアファンであり、重要な存在である。従来通りの枠組みは難しいとしても、コアファンに対してできる施策を担当部署で検討している。」と続けています。
この文言を見る限り、いまだに再開の予定がされていない事がわかります。
「コアファンは重要な存在」としつつも何もない状態
同社の発表の中では、「年パスユーザーは重要な存在」と言っているものの、返金対応以外は休止している期間中やその後も、具体的な対策や対応は全くとられませんでした。
こうした発表を受け、ファンの中では様々な反応が見られますが、「再開する気がないなら、いっそ、もう無いと言って欲しい」、「耳障りの良い言葉はもう正直飽きた」といった感想も聞こえます。
こうした対応や会社としての方向性は、これまで長年通ったパークファンの中でも様々な意見があり、「他のコンテンツやエンターテイメント業界に流れてしまうのでは」といった危惧されている声も聞こえます。
震災やコロナ対策でキャッシュをため込んでおく必要性も
しかしながら、言うまでも無く、ディズニーリゾートもボランティア企業ではありません。
2011年の東日本大震災による大幅な減収減益や、今回のコロナウィルスのような突発的な閉園による減収などにも備える必要があるのは間違いありません。
また、現在建設中の大規模開発である、ディズニーシーの新テーマポート、「ファンタジースプリングス」の建設についても、当初の想定予算より原材料価格の高騰などの影響でその費用も膨らむことは確実となっています。
また、世界的にコロナの影響で厳しい財政状況にある中ですが、オリエンタルランドがアメリカのディズニー本社に支払うライセンス料(ロイヤルティ)も詳細は公表されていませんが、三百億規模とも言われています。
そうした状況に備えて、収益を蓄える必要があると言う状況もあり、長い目で見ると、少しでも収益性を求めると言うのは会社としては当然の姿勢と言える部分もあると思います。
具体的な再開時期は?
できるだけ早く再開して欲しい年間パスポート。それでは再開の時期は一体いつになるのでしょうか?
これは完全に憶測や想像であり、根拠のある話ではありませんが、前述の通り、もう2ヶ月後に40周年のスタートを控えている中で、現状は再開の予定がないと言う同社の発表。
これで、多くのゲストの増加が見込めるアニバーサリーイベント中に再開する事は非常に厳しいなったと言ってもいいと思います。
そして、40周年が終わった後、来年2024年春にはファンタジースプリングスがオープンすることも発表されています。
そう考えると、年間パスポートを再開しなくても多くの来場者が見込めるコンテンツが続く以上、残念ながら「まだ、あと最低でも2 ~3年ぐらいは再開しない」言うことも考えられます。
もちろんこれは完全なる憶測であり、パークが年間パスポートのゲストをどう考えているかによって、変化があることに期待したいですね。
リアルが見えすぎる現在のパーク
様々な理由により、少しでも収益が得られる可能性について考えるのは当然といえます。
しかしながら、近年のディズニーリゾートはそうした部分が非常に顕著であり、前述した先程の資料の中には、「エンターテイメントの今後の有料化」といった言葉も見られます。
それはゲストの選択肢が増えると言う意味では良いとは思うのですが、現状はコロナによる休園、そしてその再開後は「完全なエンターテイメントが実施されていない状態」です。
これは、ゲストの目線から単純に言うならば「まずエンターテイメントを元に戻してからそういう発想を持って欲しい」と言うのも当然の意見といえます。
それでも大切な場所であって欲しいTDR
コロナ再開後は様々な部分が削減されたり、縮小された状態でも「仕方がない」と思う意見が多くありました。たた、なかなかゲストにとって明るい話題が少ないと言うのも事実だと思います。
ただ、それでも「夢が叶う場所」や「夢と魔法の国」、「冒険とイマジネーションの海へ」と言うキーワードでゲストに期待と高揚感を与え続けるパーク。
あくまでゲスト目線であり、一方的な希望なのかもしれませんが、そうした部分とは真逆の「リアルな部分」を色濃く感じさせる近年のパーク。
それでも、今までも、そしてこれからも多くのゲストの皆さんの心の拠り所である、大切な場所であるのは間違いありません。
様々な事情はあるとは思いますが、そうした部分でさえも、うまくゲストの気持ちを大切にしてくれるパークであって欲しいものですね。