「東京ディズニーリゾート」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」と言えば、誰もが知る、東西を代表する日本のテーマパーク。
何かと比較され、「こっちのほうがいい！」「いや、こちらの方が…！」といった話題にもなりがちですが、それぞれの個性があって、どちらもとても楽しい場所。
そんな2つのパークを見てみると「見えてくるもの」が色々あります。今回は、前回の【前編】に続き、ユニバの識者であるお二人にお話を伺ってきました。
この記事のもくじ
強過ぎる「ミッキーマウス」と言うキャラ
今回お届けするのは、ユニバの識者に聞いた「東西テーマパークの課題と今後」の後編。
お話をお伺いしたお二人、「さーたん」さん（元：このはなさくら）さん @kono_journey 、 「ハピエル編集長」さん @usj_genki(HP) のお二人のプロフィールなどは、前編の記事も併せてご覧ください。
それでは早速続きをどうぞ。
【さくら】
私も何度かTDRにお伺いさせて頂きましたが、感じたのはやっぱりミッキーやミニーのキャラクターの「強さ」。もちろんUSJにも個性的なキャラクターはたくさんいますが、やはり「ディズニーのミッキーマウスやミニーマウス」は、一キャラとしては、圧倒的な人気ですよね。
【編集長】
ミッキーとミニーは知名度や人気はすごいですよね。私も好きです。ちなみに私は一番好きなのはドナルドです（笑）
ミッキー、ミニーは顔を見れるだけで感激。パークへ行っても簡単には会えないので、例えるなら大物芸能人かな。
ユニバのウッディ（ウッドペッカー）、ウィニーちゃんを例えるなら吉本新喜劇のお笑いコンビ（ウッディに怒られるかな？）
入口でお出迎えしてくれたり、会話もできる。時々いたずらをしてきたり、笑かしてもくれる。
たまにドラム演奏をしてカッコイイところを見せてくれたり、パークの外へ出て御堂筋ランウェイで主役としてイベントを引っ張っている姿を見ると、応援したくなる。芸能人だけどちょっと身近に感じる存在ですね。
【みっこ】
確かにちょっと言い方は「アレ」かもしれませんが、TDRの場合は、「とりあえずミッキーとミニーに新しい服を着させておけば何とかなる」と言う部分もあると思います(笑)ただ、もちろん「それも含めてパークの魅力」だとは思うのですが、ひとつの個性に頼り過ぎると、外の部分に注力しなくなる怖さ…と言うのもあるのかな、と感じる部分もあります。
実質廃止されたファストパスとエクスプレスパス
【みっこ】
最近TDRでは、これまで無料だったファストパスが実質廃止され、既にユニバで実施されている、「ユニバーサル・エクスプレス・パス」に相当する、有料バス「ディズニー・プレミアアクセス」の対象アトラクションが増えてきました。
私自身はこちらに関しては否定的な意見ではなく、むしろ「ゲストの選択肢が増える」と言う意味でいいと思うのですが、やはり無料だったファストパスを全て無くしてしまった事、更にいまだに一時的な休止なのか、完全廃止なのかわからない…といった歯がゆさがを感じたりします。
【さくら】
USJのエクスプレスパスは非常にありがたいとは思いますが、「一つ一つのアトラクションでバラ売りされていない、セット売り」になっているという部分がありますね。
【みっこ】
なるほど、また、お値段も混雑日やタイミングで変わりますし、若干高めと言えるかもしれませんね。ただ、ユニバのエクスプレスパスでありがたいな、と思うのは、「行く前から事前に購入ができる」と言う部分です。TDRの場合、当日入園してからでないと購入ができず、どの時間帯が残っているかわからない、そもそも残っているかわからない…と言う、非常にプランニングがしにくい形なんですよね。
【編集長】
ユニバのエクスプレスパスは先日、期間限定（平日限定）でマリオカートを２回待ち時間を短縮して体験できるものが販売（現在は終了）したり、レストランの優先案内とアトラクション１個を体験できる安いエクスプレスパスを販売するなど、いろいろな試みをしていますね。
マリオカートは初めて体験したら、２回体験したいと感じる人が多いと思うので２回連続で楽しめるエクスプレスパスはゲスト想いだと思いました。
ツイッターやインスタグラムなどの影響
【みっこ】
続いては両パークでも何かと話題になるSNS、主にTwitterやInstagramの活用等についてですが、よくも悪くも、宣伝効果には役立っていますよね(笑)
【さくら】
特にUSJではTDRよりも、更にいわゆる「映えスポット」が多くあり、写真を撮ると言うこともパーク来園の大きな楽しみになっている気がしますね。
【編集長】
ＵＳＪファンという会員制度があるおかげで、twiiterやインスタグラムでユニバの素敵な写真を発信する楽しみもあり年パス勢には嬉しいです。
時々、ＵＳＪの公式twiiter、公式インスタで写真を採用していただけるので選ばれるような素敵な写真を撮りにユニバへ行くという楽しみ方もあります。
公式アカウントからお題が出る時もあるので、ゲストがネタのアイデア切れになって困らないようにしてくれるのも、ありがたいです。
【みっこ】
また、ユニバの公式アカウントは、例えば雪などによる開園時間についての状況や営業時間変更なども迅速にTwitterを活用している印象がありますが、TDRはそうした部分があまり迅速では無い気がします。一番迅速に情報が伝わりやすいTwitterをもっと活用してくれるといいんですけどね。
ショーやアトラクションの「振り切れた」感
【みっこ】
ショーやアトラクションで感じたのは、「TDRは万人向け」であり、「ユニバはもう一段階進んだ、振り切れた感」があると言った部分。例えば、「ザ・フライング・ダイナソー」って、とても激しいじゃないですか。私の友達は、「あのアトラクション考えたやつは普通じゃない！」と言ってます(笑)
【さくら】
確かにTDRのアトラクションは、「怖いと感じる手前で終わる」というか、確かに「ちょうどいい」感じで、「誰でも楽しめる」と言う感じがしますよね。
【編集長】
「ウォーターワールド」のショーでのタンク爆発のシーンや、「ジョーズ」でガソリンタンクを撃って炎が燃え上がるシーンは迫力がありますよね。
パークのコンセプトが「NoLimit」なので、限界なしでゲストを満足させてくれますね。
夏のやり過ぎ水かけ祭りが大好きなので、今年の夏はぜひ復活してほしいです。
ちなみにユニバもユニバーサルワンダーランドにあるアトラクションや名探偵コナンやスパイファミリーの謎解きラリーなど子供でも、大人でも楽しめるアトラクションも多くありますよ。
【みっこ】
この部分に関しては、それぞれのパークの個性が良く出ていますよね。「万人向けのTDR」か、「派手で振り切れたユニバ」。行く人の好みでいろいろ選べる、と考えると面白いですよね。
「世界観」や「エリアの境界線」の違い
【みっこ】
TDRは各テーマポートの雰囲気などを保つために、エリアの境界線が見えなくなっていたり、BGMの移り変わりの音量にも気をつかっている…といった部分があります。対してユニバにはそういった部分をあまり感じず、「エリアの境」が明確に区分されていない印象を受けます。
【さくら】
確かにTDRのパークでは、それぞれの世界観の存在が大きくて、物語がエリアごとにしっかり独立している気がします。
【編集長】
そうですね。ユニバの場合、そもそもが「パーク全体が映画スタジオと言う設定」なので、「裏側のセット」が見えたりエンターテイナーが出演直前のステージ裏で出るタイミングを待っている様子が見れることにもリアリティがあると思います。
ちなみに、ハリーポッターエリアとスーパーニンテンドーワールドのエリアは、しっかり世界観がありますよ。
【みっこ】
なるほど、そういった意味では「それぞれのエリアの独立した世界観を保つTDR」と、「映画の世界を幅広く楽しめるユニバ」と言うそれぞれの特徴が良く出ている気がしますね。
「次のイベント」への期待感と高揚感
【みっこ】
コラボイベントを多く行うユニバですが、例えばTDRでは季節のイベント、「春ならイースター」「秋ならハロウィーン」…とほぼ決まっていますが、ユニバの場合、「次に何のコラボをするのか」と言う、「先の読めない期待感」がある様に感じます。
【さくら】
確かに、基本、何とでもコラボができる強みがあるので、「次にどんな発表が来るのか」と言うのはとても楽しみになりますね。例えば「人気アニメとコラボ」となって、それをきっかけに来園する方もいるし、逆にそれがきっかけでアニメを見る方もいますし…。パークにとってもアニメにとってもメリットしかないですよね。
【編集長】
コラボがあれば、グッズやコラボフードも楽しみですね。
バッグや服など、もう少し大柄の男性向けサイズやデザインのグッズも販売してほしいので、ぜひ男性のみなさんもファッション系のグッズを購入してほしいです。
レストランはコラボ作品の世界観が楽しめるように店内の演出やクルーさんの会話も変わるのが面白いです。
【みっこ】
なるほど、確かにそういう考え方もできますね。例えば、現在行われている「呪術廻戦・ザ・リアル 4-D」でも、アトラクション映像やその後のショップに、「キャラクターがユニバで楽しむ様子」といったイラストなどが流れたり、そのグッズが売っていたり…と、アニメもパークもさらに身近に感じられて面白いですよね。
…と、言う事で2回に分けてお届けした、ユニバとTDRを比べて見える、課題や今後。
もちろん２つを比べてどちらが良いと言うモノではなく、日本を代表するテーマパークとして、共に発展していけば良いなと思います。
長い時間、ご協力頂いたお二人、ありがとうございました！
