
東西を代表する日本のテーマパークと言えば、「東京ディズニーリゾート」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。
もちろんそれぞれの個性があって、どちらもとても楽しい場所ですが、2つのパークをじっくり見てみると、「見えてくるもの」が色々あります。
今回は、ユニバの識者である、「あるお二人」にお話を伺ってきました。ディズニーとユニバ。「比べてみると見えてくる課題や今後」について考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
お話しを伺ったのはこちらのお2人
今回、著者である私(みっこ)がユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下、ユニバ又はUSJ)に行く際、縁あってお二人にお話をお伺いする機会がありました。ご協力頂いたのは以下のお二人です。
ユニバ界隈では知る人ぞ知る、テレビやメディアに何度も登場している有名人。
特に素晴らしいのは、ユニバではファンの方にTwitterやInstagramなどで投稿協力いただいた中から、その貢献度に応じてランクがある(#USJファン)のですが、その中でも全体の1%程度しかいないと言われている「ダイヤモンドランク」になられている方。
ユニバ公式から認定と表彰をされている、すごい方です。その投稿は非常に「ユニバ愛」に溢れており、女性らしい細やかな視点が特徴です。
一言で言うと、「ユニバが大好きすぎて勝手に応援する会社を作ってしまった」と言うとんでもない方です。
編集長さんもこれまでユニバ関係のテレビに多く出演し、情報サイト「テーマパークメディア ハピエル」も運営されている方。非常に細やかな分析と冷静かつ慎重な、さすが社長さん!と言った方です。
今回、縁あってお二人にユニバでお会いする事になり、せっかくなので「東西パークの課題と今後」等についてお話を伺ってきました。
「対談」と言うより楽しい会話の中で得たお話

【みっこ】
わざわざありがとうございます!今回こちらでお二人とお会いする事になり、せっかくなのでユニバの識者である、お二人に一緒にお話しをお伺いさせていただければ…と思いまして。
【さくら】
いえいえ、全然そんな「識者」ではないので恐縮しちゃいます。みっこさんとは長電話を数回しましたが、お会いして話すのは初めてですよね!よろしくお願いします!
【編集長】
私は11月にみっこさんとお会いして色々お話させていただきました!前回はあっという間に時間が過ぎてしまいましたね(笑)。まだまだお話足りずだったので、今日もお話できて嬉しいです。識者ではないですが、よろしくお願いします!
【みっこ】
今回ディズニーとユニバという事ですが、何かと比較される両パークですが、どちらが良い悪い…ではなく、「お互いの課題と今後」という事で、比較することで見えてくる部分があると思っています。雑談の中でいろいろお話お伺いできればと思います。よろしくお願いします!
ユニバはクルーが「フレンドリー&元気」

【みっこ】
私、ユニバの年間パスを購入して、それから10数日来ているのですが、東京ディズニーリゾート(以下、TDR)と比べるとキャスト…あ、いや、クルーさんがめちゃめちゃ話しかけてきますし、とっても元気ですよね。
【さくら】
はい、私もこれまでテレビやメディアなどでもお話しさせて頂いているのですが、キャラクター等の魅力ももちろんですが、私的には「クルーさんイチ推し」なんですよね。クルーさんと接するのが楽しみで来ていると言ってもいいくらいです!
【編集長】
ユニバのクルーさんは、みなさんとてもフレンドリーに話しかけて下さるので、楽しくお話させていただいてます。私はお母さんのように慕っている推しクルーさんがいるので、会えるととても嬉しいです。
ディズニーランドと比べたら、積極的ですが大阪のノリと合っているので私からしたら違和感ないですが、関西以外の方でTDRに慣れていると違和感がある方もいるのかもしれませんね(笑)
【みっこ】
はい、確かにTDRのキャストさんは、私的には「賢い優等生」で、ユニバのクルーさんは「フレンドリーな友達」といった印象を受けます。身に付けているもの等にも物凄く敏感に反応して来ますよね。
今日、清掃中のクルーさんの後ろを歩いていたのですが、もちろん掃除をしながらですが、「自分が絡んで行けそうなゲストを探している視線」だったのがちょっと笑えました。こうした部分もどちらが良いと言う話ではなく、それぞれのパークの個性が出ている感じがしますよね。
【さくら】
もちろんディズニーのキャストさんもとても親切でなんでも教えてくれるのですが、USJのクルーさんは「一緒に楽しんでくれる」と言う感覚が好きなんですよね。本当にクルーさんから元気をもらえるんです。
「自由度が高いユニバ」「イメージを大切にするTDR」
【みっこ】
TDRと比べると、ユニバは「ゲストの自由度が高い」と言う印象を受けました。一番わかりやすいのは「いつでも仮装やコスプレがOK」と言う点です。これは単に比較はできないですが、TDRは逆に「パークのイメージや世界観を保つ」と言う部分を重視していますからね。
【さくら】
確かにそうですね。USJは「自由度が高い」、更に「楽しみの幅が広い」ので、パークの魅力だけでなく、そうした好きなキャラクターの仮装などをきっかけに、これまであまりパークに来なかった方が来園するきっかけになることもあると思うんです。
【編集長】
自由度が高いという点だと、ユニバは今が旬のアニメやゲームとコラボのアトラクションが定期的に開催されるので、子供と一緒に楽しめたり、ユニバとのコラボをきっかけに見たことがなかったアニメを見るきっかけにもなっていますね。
1年中ほとんどの期間でコラボやホラーナイトなど仮装する機会がありますし、ユニバーサルシティには着替えたりメイクができ荷物を預けられる施設が500円で利用できるなど、コスプレしやすい環境はありますね。(※コインロッカー代は別途必要)
【みっこ】
なるほど、確かにディズニーでも仮装に関してはハロウィーンの度に「あれは良いのか?」「ルール違反だ!」と言った議論になることが多いですが、そのバランスが難しい所ですよね。ただ、「最初から自由度に幅を持たせているユニバ」だと、「TDRで問題になる部分が問題にならない」と言う部分もあるのかもしれませんが…どちらもそれなりに色々ありますね。
「ゲストとパークの距離が近い」ユニバ

【みっこ】
大きな違いとして感じるのは、ユニバの場合「ゲストとパークの距離感が近い」と思います。先程のクルーさんの対応もそうですが、ユニバでは「USJファン」と言う形(投稿ページ)で、ゲストのTwitterやInstagramの投稿をポイント化してランクが決まる…といったものがありますよね。
【さくら】
はい、あれはパークとゲストの距離感が近くなりますし、公式がゲストの写真や投稿などを積極的に使ってくれると言うのは、ファンとしてはやっぱり嬉しいですし、パークとゲストの枠を超えて、距離感がとても近くなる気がします。
【みっこ】
TDRではInstagramではそうした企画も多少行っていますが、公式Twitterは「基本的にPRのみ」で、リアルタイムな情報やゲストとの交流は全く無く、「まさにPRのみ」といった印象があるんですよね。
【編集長】
クルーさんだけでなく、オフィシャルホテルの方々もフレンドリーで「ゲストとの距離が近い」と言う風に感じますね。…さくらさんは、パークフロントホテルのレストランメニューの名付け親や、さくらさんにインスピレーションを受けたメニューがありますもんね。
【さくら】
はい、おかげさまで他のホテルさんも含めて仲良くさせていただいて、メニューの考案や名付け親などにさせていただいてます。【参考:パークフロントホテル・レストラン「アーカラ」の季節御膳「KONOHANA」。メニューはこちら。】
【みっこ】
それは凄い…!もちろん、さくらさんの「ユニバ愛」もスゴイですが、幅広くゲストの声を反映させていける姿勢って大切ですよね。TDRはアメリカ本社の意向も考えつつやらなければならない部分もあるのかもしれませんが、もう少しゲストとの距離感が近くてもいいのかな、なんて感じることもあります。
テレビやメディアへの出演

【みっこ】
そう言えば、編集長さんもさくらさんも、何度もテレビ番組に出られてらっしゃいますよね。画面を通しては、何回も見させていただいてます(笑)すごいですよね。
【さくら】
いえいえ、多くのテレビ番組にたくさん呼んでいただいて本当に感謝しています。ただ、私ばかりではなく、他にも魅力的な発信をされる方はたくさんいらっしゃるので、もっともっと色々な方にもご出演いただく機会があればいいなと思っています。
【編集長】
USJの魅力を多くの人に伝えたくて普段はハピエルなどを通じて発信していますが、テレビ番組の出演で、「USJのことをほとんど知らない人が面白いと感じること」や「魅力が伝わるように、分かりやすく伝える」という視点で番組作りをされている方々の考え方を学ぶ貴重な機会だったと思います。
大好きなユニバのことを、たくさんの人に伝えられるのは、とても楽しいです。
番組を見て下さった方がユニバに行くきっかけになっていれば、嬉しいです。
【みっこ】
なるほど、確かにテレビ側が考えるのは、「これから行こうとする人目線」だったりするので、ついマニア目線になったりしちゃいそうですもんね(笑)そのあたりもしっかりお考えになられているお二人…さすがですね。
【さくら】
そうした機会を頂いて、あまり目立たないUSJの隠れた魅力がもっと広まるといいな、と思っています。
経営破綻から復活したユニバ

【みっこ】
そう言えば、ユニバは過去に一度経営破綻しかけた事がありますよね。そうした部分が今の運営に活かされている…と感じる部分ってありますか?
【参考:2001年開業のユニバは、初年度は年間1100万人を集客→翌年に700万人台に急降下、3年後の2004年には事実上の経営破綻となったが、経営体制の刷新等で見事に復活した】
【さくら】
確かに今の「クールジャパン(人気アニメーション等とのコラボ企画)」などは、多くのゲストを呼び込むきっかけになりましたよね。導入当時は色々な意見もありましたが、それもUSJらしい個性だと思っています。
【みっこ】
確かに私の友達も、全然ユニバ自体には興味がなかったのですが、今度「SPY×FAMILY」とのコラボがあるので、「ぜひユニバに行きたい!」と言っている人もいますし、去年途中で休止になりましたが、「進撃の巨人 XRライド」も、進撃大好きな友達が「そのためだけに行った!」と言っていました。そうした「パーク自体に興味がないゲストも呼び込む」と言う、大きな需要が生まれますよね。

【さくら】
はい、確かに「人気アニメとのコラボ」は、本来で言えば、USJと言う「パーク自体の個性」では無いのかもしれません。ただ、そうした「コラボが楽しめるパーク」と言う事が、パーク全体の魅力と捉えることもできるので、非常に良いアイディアじゃないかな、と私は思っています。
【みっこ】
最近、TDRではエンターテイメントがなかなかコロナから復活せず、「色々な工夫」と言う面では、あまり前向きではない気がするんですよね。…なので、こういう事言うと、怒られちゃうと思いますけど、TDRも良い意味で一度経営難になった方が前向きに…いや、スイマセン、何でもないです(笑)
…と、いう事でお届けしてきた、ユニバ識者のお二人との座談会。双方の考え方の違いなど、色々参考になります。
次回の【後編】では、更に具体的な両パークの違いについて、ご紹介したいと思います。