「ネットで調べて」「推し変禁止」ディズニーキャストの質は低下したのか?

ライター:

アトラクションやショーだけでなく、様々な魅力が溢れる東京ディズニーリゾート。

そんな中、私達の体験をサポートをしてくれるキャストさん。

ディズニーキャストと言えば、「憧れの存在」とも言えますが、最近SNSではこれまでに無かった振る舞いなどが話題となっています。

パークを最前線で支える不可欠な存在

東京ディズニーリゾートのキャストは、その名の通り、「従業員」ではなく、パークのコンテンツを演出する「出演者(CAST)」と言う位置づけ。

単に「従業員」ではない所に、ディズニーの細かなこだわりを感じることができますよね。

そんな夢と感動を与えてくれるお手伝いをしてくれる、パークには欠かさないキャストさん。

しかしながら、最近SNSに投稿された「様々な言動」が話題となっています。

質問されたら「スマホで調べて」、ガーランドに「推し変禁止」

話題となっているのは、Twitterに投稿されたあるつぶやき。

パークを訪れたゲストがビールを販売している店舗をキャストに聞いた所、「私に聞くより、ネットで、ディズニー・アルコールで調べた方が早いですよ」と言われたとの事。

また、別の投稿では、ある男性キャストの事をを「推し(いわゆるファンの事)」として仲良くなっていた女子高校生らしき方が。

そして園内で一緒に撮った写真と共に、その男性キャストから渡されたガーランド(40周年限定でキャストからゲストに渡してくれる簡易的なメッセージカード)に、「自分以外の人を好きになる(推し)事を禁止」と言う意味の「推し変禁止」と書いて渡した事と、それをSNSに女性が上げた事が話題になりました。

もちろんこれらの様子の投稿は個人的なもので、その真偽と真意の事実を見極める事は困難です。

また、受け取り方や言葉のチョイスなどで意味が変わる事もあるので、投稿が全て事実かどうかは不明な部分もあります。

「キャストの質」が低下したのか?

しかし、注意したいのが、これらの言動が事実かどうかはわからない事。

更に、例えば調べる内容によっては自分のスマホの方が早くて正確な場合もありますし、キャストとゲストが仲良くなるのがダメな訳ではありません。

しかし、これらに違和感を唱える方が多いのも事実。

パークのルールとしてそれらが問題ないのであれば我々がとやかく言う事では無いとも言えます。

しかし、それぞれ「勤務放棄」とも言えなくもないこうした言動は他にもSNS上で見られる事が近年多くなってきている様にも感じます。

これらについて、ネットでは「キャストの質が低下している」と言う人も増えてきています。

「出演者」だが「主役」ではない

しかし、こうした感じ方は人それぞれですし、もちろんこれまで通り、それ以上に素晴らしい対応をしてくれるキャストも多く存在します。

しかし、私個人的にも以前に比較して、「(良くも悪くも)個性的なキャストが増えた」と言う印象はあります。

まず、キャストは前述の通り、「演者の一人ではありますが、決して主役ではない」と言う事。

先程は「従業員では無い」と言いましたが、「まずは従業員としての職務を全う」し、「更にCASTとしてパークとゲストを盛り上げる立場」だと思っています。

対して、パークを「自己表現の場としているキャスト」や、「職責を果たしていない可能性のあるキャスト」に見える存在が目立つ様になってきている気もいたします。

SNSにより可視化された現実

ただ、こうした「キャストの質」についてはこれまでも度々挙げられてきていますし、逆にゲストの質の変化も同じ様に話題になります。

変わってきたのはキャストだけではなく、ゲストもパークの環境も、色々な部分が変わっているとも言えるのかもしれません。

考え様によっては、ゲストの変化によって、キャストも変化したとも言えなくは無いのかもしれません。

これらは今までも普通にあった事ですが、現代のSNSの影響により、「見えなかったものが見えるようになってきたから」と言う面もあると言えます。

コロナの制限運営の後遺症も?

キャストもゲストも併せたこうした状況の変化。

これらの原因の一つとして考えられるのは、新型コロナウイルスによる閉園や長い制限運営によって、「これまで長年培われたキャストやゲストの経験がリセットされてしまった」…と言う面もあるように感じます。

キャストについては、長い休園により、その職を離れた方が大量にいた事から、それまでのキャストの現場でのノウハウに空白期間ができてしまい、「継続したホスピタリティや経験を知る方が減ってしまった」と言う懸念。

更にはゲストとしても、年間パスポートが3年以上も休止されており、パーク内の運営ルールや保たれた秩序を知るゲスト率が下がった事などもあるのかもしれません。

これらはあくまで筆者の推測の域を出ませんが、少なからずその影響がある様にも感じます。

「大切なパーク=推し」を守る為にできる事

こうした様々な環境の変化は時代と共に移り変わっていくものですし、そうした部分も含めて「永遠に完成しない」と言う意味もあると思います。

しかしながら、変わって良いものと変わってはいけないものがあります。

特に現代では、全く問題のない出来事が、様々な見方で伝えられ、大きく炎上してしまう事は珍しい事ではありません。

それを完全に防ぐ事はできませんが、そうした危険も踏まえ、「パーク内の言動を安易にネットに載せる事」は避け、「これを載せるとどうなるか」の「ほんの少しの未来の想像力をつける事」が必要なのかもしれません。

そう簡単では無いですし、それで完全に防げるものではないかもしれませんが、そうする事で、少しでも、自分の推しであるパークを守る事につながるかもしれませんよね。

ABOUTこの記事を書いた人

DヲタのWEBライター。TDRハックの他に、 個人ブログ「TDRな生活」や「株式会社ぴあ」の「ディズニー特集 -ウレぴあ総研」で多くのTDRにまつわる記事を執筆。7冊のディズニー関連書籍の著者でもある。近著に「ひとりディズニー50の楽しみ方」 (サンクチュアリ出版 )。…慌てず急がず、ゆっくりゆったりとパークを散策しながらお酒を楽しむのが好きです。

6 件のコメント

  • 昨日一昨日と、親孝行のつもりで親子二人、人生で初めてランドに行きました。
    お店や列の整理をしているキャストさんの対応はごく普通のスーパーの接客という感じで、ファンの方から聞くようなキャストさんを含めて「夢の国」は一切感じられませんでした。
    三連休で人が多くて苛々しているのが、顔と接客に出ているスーパーや百貨店の店員。
    正にこんな感じ。上辺は笑顔だけど、声音が苛々していて慇懃無礼。嫌なら帰れば?が透けて見える。
    スーパーと違ってお金を払って遊びに行ってるので、もうちょっと楽しませてほしい所ですが、まあキャストも人間だもんね…とこちらが「気を遣って」察してやらなければならない。
    夢の国で現実の嫌なことを忘れられるどころか、現実の仕事の苦労をまざまざと見せつけられました。
    微妙に不愉快になって帰宅しました。多分もう行かないですねー。

  • 10年くらい前からキャストの質に疑問を抱くようになり、舞浜から足が遠のきました。
    が、そんなキャストを作ったのはゲストのせいでもあると思います。
    なんでもかんでも昔は良かったで片付けるのはよくありませんが、昔の舞浜は良かった。。。

  • 「ほんの少しの未来の想像力をつける事」、とても大事だと思います。TDRに限らず、日常の中でみんなが少しでもこのことを意識すれば、嫌な思いをせずとも済む気がします。

  • いつも拝読させていただいております。大好きな場所の記事だからこそ、コメントさせていただきます。

    こと、ディズニーキャストだからこそ注目してしまいます。おっしゃる通りSNSの普及により、陰に光が当たってしまう弊害だと思います。またバイトテロやカスハラなど、現代を生きる人の倫理観の変化は如実に現れていると思います。
    ゲストの質の低下をコメントされている方がおられるように、キャストもゲストも同じ人として、現代のありように影響されてしまっているのでしょうね。
    仕事をしない人については、その方はどんなことでもまず調べられる人なのかもしれません。今はTodayもありませんし、あなたのお持ちのスマホは何のためにあるのですか?と言われてしまえば何もいえません。人と人のコミュニケーションを重視することは大切ですが、自販機やコロナ対策を踏まえると、もしかするとそれも時代と言われてしまう一面もあるのかもしれません。

    この問題、自分が嫌な思いをしてしまうのかと考えます。自分も行くたびに、キャストのみならず、ゲストの言動も含め嫌な思いをすることがどんどん増えています。
    でもそれも、自分が勝手に思っていること、なのかもしれません。何かについて「問題」と捉えることすら、その権利があるのかとも考えてしまうのです。
    何だかとても寂しく、内に篭ってしまうような気持ちです。確実に行く頻度は減っています。40周年のテーマに思いを巡らせると、今の現状を見るとより一層悲しい気持ちになります。そして諦めている気持ちもあります。ファン自身も、ファンの間で傷つけ合ったり自慢しあうことが目に入りますし、自分のこころを保つのがとても大変だと感じます。

  • ゲスト側の質が低下し過ぎで怖いパークになりました。
    マナー、道徳心を教育しない日本は悲しい国に成り立つでしょう。

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