アトラクション別傾向&攻略法【カリブの海賊】その2

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大小様々な種類のアトラクションが存在するディズニーランド。各テーマランドにはそのエリアの雰囲気を演出する様々なものが存在します。中にはそのエリアのコンセプトを象徴する様なイメージのものもあります。

そんな中、知っていると少しだけ得するポイントやアトラクションを楽しむ上での攻略法などについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。

今回も前回に続き、アドベンチャーランドのアトラクション、「カリブの海賊」についてご紹介します。

意外に知らない?リニューアル後に変更されている小さなストーリー。

2007年にリニューアルされたこの「カリブの海賊」は、映画版のキャラクター「キャプテン・ジャック・スパロウ」や「キャプテン・ヘクター・バルボッサ」、「デイヴィ・ジョーンズ」などが取り入れられました。

リニューアル後も、基本部分は変わりありませんが、途中いくつかの場面に彼らが登場し、それに関連して、海賊などが話す言葉や物語の設定が実は一部が変わっているんです。

例えば、砦の前に現れた海賊船が大砲を打ち合うシーン(上の写真)がありますが、この船には以前は「黒髭」こと、実在した海賊「エドワード・ティーチ」が乗っていました。

しかし、現在は映画に登場する「キャプテン・ヘクター・バルボッサ」が乗っており、ジャックスパロウを差し出すようにと砦に砲撃を仕掛けています。

また、その次の街のシーン(上の写真)では井戸に吊るされて水攻めの拷問を受けている男がいます。これも以前は市長が財宝のありかを吐かされていたのですが、現在は「治安判事」という設定で、財宝のありかに加えて、ジャックを差し出すように拷問されています。

そしてその近くの建物の2階からは判事の妻が「あんた、しゃべるんじゃないよ!」と言うセリフを言っています。そしてその先にはマネキンに隠れるようにしてジャックの姿があります。

その他にもボートが落下した後には上の写真の様に「デイヴィ・ジョーンズ」がゲストの前にふさがる霧のスクリーンに登場する場面などが加えられています。

また、入口のアトラクション名のバナーが映画のイメージに併せて変わった等、いくつかの細かな変更もあります。

その他の細かなトリビアなど

それではアトラクションの内容についての雑学を触れていきましょう。この先はネタばれになる話もありますのでご了承を。

このアトラクションに登場する人物は映画の中の人物以外にも、実在した海賊の名やモデルになっている人物や場所なども多く存在します。

まず、ゲストは建物に入って少し進み、上の写真の様に、薄暗い木製のボート乗り場から乗船します。この時、まずほとんどの人が気がつかないと思いますが、ボートに乗ってから、すぐに上部を見上げると下の写真の様に、木製の看板がぶら下がっています。

この看板はかなり見えにくい位置にあるので、次回乗った時にはぜひ上を見上げてみていただきたいのですが、ここには「LAFFITES LANDING」という文字が書かれています。

ここは「ラフィットの船着き場」。これは実在した海賊の船長、「ジャン・ラフィット」の名前です。ちなみに下の写真はこの乗り場を、対岸の「ブルーバイユーレストラン」から少し望遠で見た様子。この看板は、船乗り場からはかなり見えにくい位置にあり、このレストランからでないと、なかなかじっくり見る事は難しいです。

この船着場は実は彼の家。海賊の彼は、追っ手や軍艦などから逃げ延びる為に、通常の港や入り江からは見えにくい、入り組んだ場所にこの船着場を設けたのです。この船着場から出発すると、高い葦などに囲まれた、暗くて狭い水路を抜けていくのがわかります。

この周辺は「ブルー・バイユー」(青い入江)と呼ばれている沼地で、大きな船が入れない入り組んだ入り江は海賊たちの格好の隠れ場所だったのです。対岸のレストランの名前はここから付けられているんですね。

彼は18世紀のフランスに生まれ、兄とともにアメリカにやって来ました。少し変わっているのは海賊でありながらも通常の貿易商も行ったり、奪った物資も貧しい人々に分け与えたりするなど、その功罪は様々で、そんな彼は今でも悪党だったのか善良者だったのか…という議論が交わされている不思議な人物です。

そして彼自身どこで死んだのかも分からず、彼が隠した財宝が今でも世界のどこかに眠っている…などとも言われています。少しロマンを感じる物語ですね。

このアトラクションや映画に登場するジャックスパロウをはじめとした様々な人物も、本来は残虐非道で恐ろしい海賊であるはずですが、どこか憎めない人間味ある部分や、やんちゃな雰囲気も持っています。そんなミステリアスな部分もジャン・ラフィットの雰囲気に近いかもしれません。