
様々な種類のアトラクションが存在するディズニーシー。そのタイプは様々で、人気のコースターからシアター型、のんびり周遊するライド型など様々で、幅広い年齢層の方が楽しめる様に工夫されているものも多くあります。
そんな中、知っていると少しだけ得するポイントやアトラクションを楽しむ上での攻略法などについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。
今回はメディテレーニアンハーバーにあるアトラクション、「ディズニーシー・トランジットスチーマーライン」をご紹介します。
この記事のもくじ
全て異なる名前とカラーがついた個性的な13艘の船。

パークの移動手段でもあり、周遊船としても使えるこちらのトランジットスチーマーラインは全部で13艘存在します。船体のカラーも赤・黄色・青・水色・緑の5色あります。
もちろんゲストはどれに乗るかはわかりませんが、この船のもうひとつの特徴はそれぞれに冒険家や探検家などの著名な人物の名前がついているのです。
もちろん点検・改修中の場合や、季節のイベントで使われる為に、表に出てこない場合もありますが、それぞれに個性があります。

下記はその船体に書かれている人物の名前と船体の色。
【赤色】
フランシス・ドレーク(FRANCIS DRAKE)
ポンセ・デ・レオン(PONCE DE LION)
ネリー・ブライ(NELLIE BLY)
【黄色】
モリー・ブラウン(MOLLY BROWN)
マルコ・ポーロ(MARCO POLO)
【緑色】
ヘンリー・ハドソン(HENRY HUDSON)
ジョン・スミス(JOHN SMITH)
セバスチャン・カボット(SEBASTIAN CABOT)
【水色】
ジャック・カルティエ(JACQUES CARTIER)
アドミラル・ピアリ(ADMIRAL PEARY)
レイフ・エリクソン(LIEF ERICKSON)
【青色】
キャプテン・クック(CAPTAIN COOK)
アメリゴ・ヴェスプッチ(AMERIGO VESPUCCI)

それぞれ歴史上の有名な人物ですが、「モリー・ブラウン(MOLLY BROWN)」だけはこの中で唯一の女性であり、彼女だけは探検家・冒険家ではありません。
彼女は有名なタイタニック号(1912年4月に沈没)の生存者であり、その後、労働者と女性の権利や教育問題を推進した女性活動家でもあります。
このスチーマーラインの名前は他にも一度は名前を聞いた事のある有名な人物ばかり。乗船してしまうとなかなか見えない場所に記された名前ですが、乗るときにはぜひ確認してみてくださいね。
本物の「船」。浅い川や航路でも運行可能な「外輪船」。

パークの水路を周遊する、このトランジットスチーマーラインは船体外側についている「大きな輪」を蒸気で回転させて航行する仕組みです。これは文字通り、「外輪船」と呼ばれています。
同じ外輪船としては、ディズニーランドぼウエスタンランドにある「蒸気船マークトゥエイン号」がありますが、こちらは船の後ろに外輪がついているタイプで「船尾式外輪船」と呼ばれます。
対して、このトランジットスチーマーラインの様に、横に外輪が付いているのは「舷側(げんそく)式外輪船」と呼ばれています。2つの船は大きさや外観は全く違いますが、同じ系統の船と言う事になります。

この外輪船の特徴としては、大型船の様に水面下にあるスクリューで進むわけではないので、「浅い川や浅瀬」での航行に適している特徴があります。
深さが無い池や湖での航行が可能なので、遊園地などではよく見かけるタイプです。しかし、その反面、船の形状から、横から来る波などで左右の推進力のバランスが崩れやすく、海ではほとんど見かけません。

また、トランジットスチーマーラインの様に「舷側式外輪船」では、船尾部分に広いスペースが確保できるため、大型貨物の積み込みに便利である事から、鉄道連絡船(線路が設置できない離島連絡用の船)などとして多く使われた事があります。
そうした背景もあり、実際にスチーマーラインの船、後方部分には大きな荷物が置かれています。ちなみにこの船に積まれている荷物もみんなそれぞれ異なります。

パーク内の水路を自由に動けるため、ショーやイベントでも活躍。

こちらのトランジットスチーマーラインに使われている船は全て本物の船で、国土交通省関東運輸局から「トランジットスチーマーライン航路」として不定期航路事業の認可を得ています。
また船は実際にキャストが操舵しており、ディズニーシー内の水路を自由に動けるため、この船はスペシャルイベント時のショー等でもよく使われます。

また、3つの乗り場にはそれぞれ個性があり、メディテレーニアンハーバーの乗り場にはスタンバイ列の途中には乗り場前にあるレストラン、「ザンビーニ・ブラザース・リストランテ」を経営するザンビーニ兄弟が作ったワインを出荷する様子が見られます。

ケープコッドの乗り場は建物上部に書かれているように、こちらは鱈の缶詰工場。現在は無くなってしまいましたが、以前はこの乗り場手前には鱈の缶詰を作っている様子を見る事ができました。

また、ロストリバーデルタの乗り場の脇にある、休憩場所として使える小さな事務室にはこのスチーマーラインで運ぶ荷物を書き込む伝票などを見る事ができます。

この伝票は実は「インディジョーンズアドベンチャー」のアトラクション乗車後に、落下写真が表示されているモニターがありますが、その手前にある机の上にも置かれています。遺跡の発掘品なども、このスチーマーラインで運んでいる…という物語が隠れているんですね。

また、この3つの乗り場には目立たないですが、スチーマーラインの運営会社のマークが書かれています。目立たないですが、このマークは各船の船尾についた旗にも書かれています。

さらにこのスチーマーラインはパーク内の看板にも描かれており、アメリカンウォーターフロントにある電車、エレクトリックレールウェイの乗り場左側にある壁や、同駅舎から出発して左側、レストラン櫻の上にある看板にも描かれています。

細かな話ですが、この絵の背景も実際にディズニーシーにある風景。後ろに写っている倉庫の様な建物は、ショップ「スチームボートミッキー」の後ろ側の風景なんです。細かな描写が楽しいですね。

また、さらに小さな話ですが、このトランジットスチーマーラインは現在、航海士を募集中です。どこにそんな案内があるかというと…アメリカンウォーターフロントにある「デランシー・ケータリング」で販売しているホットドックがあります。
実はこの包み紙には英語で、「ディズニーシー・トランジットスチーマーラインでは操縦士を募集中です」と書かれているんですね。興味がある方はぜひどうそ!
