ロストリバーデルタのハンガーステージで行われていたショー「ミスティックリズム」。2015年4月5日、ついにグランドフィナーレを迎え、13年間の歴史にピリオドを打ちました。
感動のラストステージを見届けてきたので、その様子をレポートします。
この記事のもくじ
ミスティックリズムとは?
このたびグランドフィナーレを迎えたミスティックリズム。水、大地、火の精霊や動物などに扮したダンサーたちが、原始的なジャングルの世界を舞台に繰り広げるアクロバットショーです。
炎や水、煙といった特殊効果やミュージシャンによる生演奏の音楽、アクロバティックな空中バレエや躍動感あふれるダンサーのパフォーマンスが13年もの間、たくさんのゲストたちをとりこにしてきました。
そして同時に、2001年の東京ディズニーシー開園当初から公演されていた唯一のショーでした。ミッキーなどのディズニーキャラクターは一切登場せず、開園当時のコンセプトであった「大人向けテーマパーク」のよさを残した貴重な場所だったとも言えます。
雨の中、開園と同時に伸び続ける列。11時間以上待つ人も
最終日の天気はあいにくの雨。それでもたくさんのゲストがフィナーレを見届けようと、開園直後から列を作り始めました。
最終日である4月5日は、普段は行われていない19時スタートの回を増設した全6回公演。開園直後は19時スタートの最終回(第6回目公演)の列と、第1~5回目を合わせた列の合計2つの待機列が作られました。

上の写真は、8時半頃に撮影した最終回待機列の様子。ストームライダーの裏側からスタートした最終回の待機列は、11時頃のご案内終了時にはエレクトリックレールウェイ(ポートディスカバリー駅)の前まで伸びました。

最終回を待つ人には人数確認のための入場券が配布されました。しかし、番号のついた整理券ではないので列を離れることはできず、その場で待ち続けなければなりません。
同行者と交代でのお出かけは許可されていましたが、基本的には朝8時の開園から並んだゲストは19時のスタートまで、約11時間待ち続けたことになります。開園待ちをしていた人はそれ以上の時間になりますね。

一方、その他の回を待つ人の列では、前から順番に回ってくるキャストさんに希望の鑑賞回と自分の名前を伝えて並びます。それぞれの回の入場開始時刻になるとキャストさんの誘導でその長い列を抜け、ステージ前の広場付近に移動する形をとっていました。
驚きなのは、その列の長さ。第2回目公演の入場が始まる前の11時台は、もっとも列が長く伸びていました。ハンガーステージ前から始まる待機列は、エレクリックレールウェイ(ポートディスカバリー駅)の前を過ぎ、プロメテウス火山を抜け、マーメイドラグーン方面まで続きます。
第3回目公演の入場が終わった頃にはその長い列は解体され、第4回目鑑賞希望者の列と第5回目希望者の列を別々にしてご案内していました。
長い長い列は、ミスティックリズムがそれだけたくさんの人々に愛されていることを示した証のように感じられました。
鳴り響く拍手は何度も、そしていつまでも。感動のラストステージ
客席には手持ちのダッフィーに出演者のコスチュームを着せているゲストのほか、出演者や裏方さんに感謝の気持ちを伝えるうちわやメッセージボードを持っている方も多数いらっしゃいました。みなさん、ショーに深い思い入れのある方々のようです。
「それでは最後までごゆっくりお楽しみください」というキャストさんのアナウンスが終わると、会場からは普段より大きな拍手と歓声が。ショー開始を告げるセリフ「今、太古の伝説が始まる」の一言とともに登場するミュージシャンの中にはすでに涙目の方もおられ、特別なステージが幕を開けました。
飛び込みや空中バレエのシーンなど大技のパートでは、いつも以上に拍手が起こる回数が多かったのが印象的です。

そして「小さな生命が自由に向かってはばたく」「The Mystic Rhythms of the Jungle」のセリフとともに蝶がはばたくと、客席から自然に拍手が湧き上がり、それはやがて手拍子へ。
いつもはすぐにカーテンコールが始まり出演者たちが出てきますが、今回はなかなか登場しません。あふれんばかりの手拍子、そしてこの時間が、感動の瞬間を頂点へと導きます。

そしてついにミスティックリズム最後のカーテンコール。観客らのスタンディングオベーションのなか行われたカーテンコールでは、最近は岩山の上からのご挨拶がメインだった「大地の精霊」も舞台上に降りての登場。かぶりものを外してのご挨拶も、大地の精霊を含む出演者全員で行われました。
出演者ひとりひとりの達成感あふれる笑顔を見ると、人間が作り出すショーのよさを改めて実感させられます。
観客の拍手と涙の中ミュージシャンによる後奏となり、いよいよすべてのプログラムが終了。客席からは終了後も10分以上にわたり拍手や手拍子が続きました。
キャストさんの「たいへん名残惜しい中、本当に申し訳ございませんが、出演者たちはもうこちらに出てくることはございません」「みなさま13年間、まことに、まことにありがとうございました」というアナウンスにより、客席は解散。ミスティックリズムが13年間の歴史にピリオドを打つ瞬間でした。
ショー終了後も別れを惜しむゲスト多数
ショー終了後もステージに別れを惜しむゲスト達によって、写真撮影などが行われていました。生命力の強い植物たちのカーテンも、今回が最後かもしれません。
キャストさんの誘導により会場からすべてのゲストが退出し、扉が閉まったのは20時前。出演者、キャスト、観客。それぞれの思い出とともに、ハンガーステージは新たな一歩を踏み出します。
リニューアル後はプロジェクションマッピングを導入した新しいショーがスタート
リニューアル後のハンガーステージでは2016年の春~夏、プロジェクションマッピングを導入した新しいショーがスタートします。(詳細はこちら)
最終公演終了後の退出時、キャストさん達が「今日から次のショーの準備に入ります」とアナウンスしていたのが印象的でした。
生身の人間が作り出す歴史あるショー、ミスティックリズム。幸いにもその最後を見届けることのできた偉大なるショーへの感謝と敬意、そして次なる一歩へ期待の気持ちを込めて、このレポートを終えたいと思います。
ミスティックリズム、感動をありがとう!!!