アトラクション別傾向&攻略法【ウエスタンリバー鉄道】その2

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人気のコースター系だけでなく、シアター型やのんびりゆっくり見れるライド系アトラクションも多く存在するディズニーランド。こうしたものは身長などの制限もほとんど無く、幅広い年齢層の方が楽しめるものが多いですね。

そんな中、知っていると少しだけ得するポイントやアトラクションを楽しむ上での攻略法などについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。

今回はアドベンチャーランドのアトラクション、「ウエスタンリバー鉄道」から見える風景などに隠れた物語などについてご紹介します。

列車がから見える様々な風景に隠されたたくさんのこだわり。

多くのゲストを乗せてゆっくりと3つのテーマランドを冒険するこの「ウエスタンリバー鉄道」ですが、待ち時間も比較的短く、乗車時間が長いのが特徴。

人気のコースター系アトラクションは長い待ち時間ですが、実際に乗車する時間は3分程度と短いのも特徴。そんな中で、この鉄道は約15分とかなり長めですので、そんな意味から考えると待ち時間と体験時間のバランスがいいアトラクションともいえます。

そんなこのアトラクションですが、列車から見える様々な景色が見所のひとつ。…列車が出発して間もなくのアナウンスでも流れますが、駅から出発する直前に、列車には蒸気を発生させるための水が入れられています。こちらは出発してすぐ、右側を見ると大きなタンクがあるのですぐにわかります。

そして列車は「ジャングルクルーズ」を右に見ながらしばらく進みます。間もなくすると、進行方向右側に駅のような小さな建物が見えてきます。

こちらは「スティル・ウォータージャンクション」。この駅舎は、通過するだけでほんの一瞬で通り過ぎてしまいますが、ここにもこだわりがたくさん隠れています。

…この西部開拓時代に限らず、アメリカの河はその幅が大きいものが多く、日本の様にすぐに「橋」がかけられない事情がありました。

この地を訪れた開拓者達は蒸気船などで大河を渡り、そこから幌馬車や駅馬車を乗り継いで目的の地を目指していました。ここはそんな人々が集まる場所であり、機関車にとっては水の補給場所でもあったわけです。ちゃんとこの駅にも出発する駅にあった大きな給水塔が建てられています。

また、駅手前には「W.R.R(ウエスタン・リバー・レールロード)」と書かれた赤い列車がありますが、そのすぐ下には線路の枕木やレールの一部、「MEDICAL」と書かれた医薬品の箱が置かれていますが、こんな小さなプロップスからも、未知の世界への厳しさが物語られているんですね。

ちなみにここでネタばらしを一つ。…この駅がある場所はそんな開拓者達も使っていたと思われる、「踏切」になっていますが、実はここはディズンーランドを運営するオリエンタルランド本社とアドベンチャーランドやウェスタンランドを繋いでいる、実際に使われている管理用道路なんです。

ここを通過する時、駅と反対側を見ると、カーブミラーには列車の通過待ちをしているキャスト輸送用のバスや関係車両が写っている事があります。

実はこの場所はそうした管理用道路などの「現実の世界」を見せないための工夫でもあるんです。この位置に列車がさしかかると、車内アナウンスに従ってゲストの視線を「右側」に誘導し、「左側」の現実世界を見させない…というこだわりなんですね。

他にも車内アナウンスが流れるタイミングで、列車の倉庫への引込み線を見させない工夫などもいくつか見られます。次回はぜひそんな観点からも見てみてくださいね。

…小さなことですが、こうしてゲストの視線も巧みにコントロールする事で、よりその世界に入り込みやすくしてくれているんです。

この列車からしか見られない風景も…!ディズニーランドを知るには欠かせない!

3つのテーマランドを通過するこの「ウエスタンリバー鉄道」ですが、この列車からしか見る事のできない風景も多く存在します。

また、「列車から」だけでなく、さらに「右側若しくは左側の座席どちらかに座ったゲストでないと見えない」という風景も存在します。

例えば上の写真、ビックサンダーマウンテン手前の岩山で見かけるガラガラヘビや、以前に「ビックサンダーマウンテン」の紹介記事でお話したおじいさん、「セドナ・サム」(記事はこちら)は、この列車の一番左側の席に座って、さらに下を覗き込む様にしないと見えません。

また、逆にインディアンの集落周辺に現れるプレーリードック(下の写真)などは、非常に小さいため、右側の座席で無いとなかなか見えない…なんていう場合もあります。

この様に一度だけではなく、何回乗っても新しい発見があるように工夫されているんですね。また、座席の位置だけでなく、季節で変わるものも存在します。

それは途中で遭遇するインディアン達。列車はこの集落を通過しますが、実は彼らは下の写真の通り、「夏と冬で服装が変わる」んです。

もちろんここ以外にも、蒸気船マークトゥエイン号から見える彼らも同様。…なかなか気がつかない部分ですがこうした変化も見逃せませんね。

さらに、このアトラクション後半にはトンネルに入り、「太古の世界」へとゲストはタイムスリップする場面があります。西部開拓時代から突然過去の世界に行く…というストーリーは一見不思議に感じますがこれにも理由があります。

これはこの部分は元々博覧会用にウォルトが作ったアトラクションの一部分であり、その博覧会終了後に行き場を失い、米ディズニーランドの鉄道の一部として導入された…と言う経緯があります。

その設定が東京ディズニーランドを作る時にも活かされた、というのが理由なんですね。このトンネル通過時には車内は照明が落とされ、真っ暗になりますのでご注意を。

…次回はさらに細かな雑学などについてご紹介します。