多くの種類のアトラクションが存在するディズニーシー。そのタイプは様々ですが、やはり中では絶叫系のアトラクションが人気です。
そんな中、知っていると少しだけ得するポイントやアトラクションを楽しむ上での攻略法などについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。
今回はディズニーシーを代表すると言ってもいい、アメリカンウォーターフロントにある人気アトラクション、「タワー・オブ・テラー」の物語などについてご紹介します。
綿密に作られた壮大なバックグラウンドストーリー。
このアトラクションの特徴は、東京ディズニーリゾートでは他に類のないフリーフォール型であることはもちろん、細かく綿密に作られたバックグラウンドストーリーにもあります。
もちろんこれらは全く知らなくても十分アトラクションを楽しめるようになってはいますが、その陰には驚くべき細かな物語が隠れています。簡単に物語をまとめると以下のとおり。
探検家でもあり、大富豪であるハリソン・ハイタワー三世は美術品などの収集家でもありました。ホテルの内外にある美術品や彫像などは彼が集めたものであり、その莫大な資産を生かして世界中から収集したものです。
しかし裏の顔は目的を果たすためなら強奪などの卑怯で汚い手段も選ばず、半ば強引に美術品などを集めてました。ただ、ホテル内外を見るとわかりますが、それらの手入れや保管にはかなりいいかげん。
梱包されたままの彫像やほこりをかぶった箱、湿気で台無しになってしまった絨毯…など様々です。そんな面から考えると、彼は美術品などが好きというより、それらを所有している事が富や権力の象徴という部分もありました。
そんな彼は、アフリカのジャングルの探険旅行から帰還し、この舞台となっているホテルハイタワーで盛大な帰還パーティーを開催します。
ここで彼がお披露目したのは、アフリカの秘境で入手した「シリキ・ウトゥンドゥ」と呼ばれる奇妙な偶像。不気味なこの偶像は300年以上も前のものとされています。この偶像は部族を渡り歩いてきた覗いの偶像であり、下記の様な「掟」があります。
・火に近づけてはならない
・常に偶像を敬い、恐れる
・雨や風にさらさない
・狭い所に置いてはいけない
・完全に覆ってはいけない
・埋葬、他人に譲渡、捨てるなどしてはいけない …など。
しかしハイタワーはこれらの掟やその呪いを全く信じず、偶像にたばこの火を押しつけるという行動に出てしまいます。そして彼が乗ったエレベーターは偶像の呪いで急降下…。
そして落下して壊れたエレベーターからは…ハイタワーの姿は発見されず、ハイタワーがかぶっていた帽子と、偶像「シリキ・ウトゥンドゥ」だけが残されていました…。
ホテルには原因不明の凄まじい大きさの衝撃が走り、ホテルハイタワーの窓が割れて粉々に飛び散ったりする様子を目撃していた人も多く存在していました。
そしてホテルはニューヨーク市などによりそのまま閉鎖され、13年の歴史が過ぎました。そして、ベアトリス・ローズ・エンディコットという女性が主宰する「ニューヨーク市保存協会」がホテルの見学ツアーを行う、企画を開催。私達ゲストはそのホテルツアーに参加するという事になります。
ちなみにファストパスの発券機(下の写真)は、この「ホテルツアーの無料チケット」という設定になっています。発券機脇にはちゃんとチケット会社の名前が入っています。
また、この発券機がある場所は、ホテルが閉鎖される前の「ホテルを訪れた宿泊ゲストの馬車の待機場所」だった場所という設定。良く見ると、発券機後ろにはそれを示すプレートが貼られています。なかなか細かいこだわりですね。
…ここでは簡単にそのストーリーを説明しましたが、これらの話には関連したエピソードやそのプロップス(小物)などが非常に細かく設定されています。
もちろんこれらは知らなくても十分楽しめますが、知っているとアトラクションがより楽しめる様な配慮がされています。
キャストは「ニューヨーク市保存協会」の会員という設定。
私たちゲストが体験するのは「ニューヨーク市保存協会」(NYCPS)が主催するホテルツアーです。この協会はニューヨーク市議会も認めている、歴史的建造物などを守るための組織。
ただ、この協会ももともとはハイタワーの従者である、スメルディングと言う人物が、ベアトリスにその組織の設置を助言したものです。
このタワー・オブ・テラー周辺にはこのNYCPSの名前が入ったゴミ箱があったり、このロゴマークが入ったバナーなども多く飾られています。
また、過去にアメリカンウォーターフロントで行われたショー(ハロウィーンに行われた「ミステリアスマスカレード」等)は、このNYCPSが主催していた…というストーリーもあります。
さらに、ディズニーシー10周年に設置されていた帽子のモニュメントにもこのNYCPSの文字が刻まれていたりと、かなり細かく場面設定がされている事もあります。
ちなみにこのタワーのキャストはゲストをホテルツアーに案内する協会の職員という位置付け。面白いのは実は彼らは私たちゲストが偶像の呪いで落下する事や、ハイタワーの声や姿を見ている事は知らない、という設定です。
さらに細かな話ですが、このNYCPSの事務所もちゃんとあるんです。現在は無くなってしまいましたが、過去に公式サイトに掲載されていた特設サイトの中では、パーク内のブロードウェイ(「マクダックスデパートメントストア」と「ニューヨーク・デリ」の間の通り)にある、カールッチビルにあると記載があります。
上の写真がその場所。設定上では3階にその事務所がると書かれています。しかしながら、実際にはウインドウにはその表示はない様子。…もちろんこのビルは入る事はできませんが非常に細かなこだわりです。
これはほんの一部ですが、このタワー・オブ・テラーとアメリカンウォーターフロントは非常に深いつながりがあります。アトラクションを楽しむ上ではこれらは知らなくてももちろん楽しめますが、知ってるとパークの散策がもっと楽しくなりますよね。
次回はアトラクションの建物などのこだわりについてご紹介します。