
大小様々なアトラクションが存在するディズニーランド。7つのテーマランドに分類されていますが、比較的お子さんが楽しめる乗り物などが多いのがファンタジーランド。
特にディズニーキャラクターが中心となったアトラクションが多いエリアです。そんな中、アトラクションを楽しむ上での攻略法や、知っているとちょっとだけ得するポイントなどについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。
今回はそんなファンタジーランドの「ピノキオの冒険旅行」をご紹介します。
この記事のもくじ
映画「ピノキオ」の世界を冒険できるアトラクション。

その名のとおり、ディズニー映画「ピノキオ」の世界を冒険できるアトラクション。映画の中のシーンが次々に登場します。
絵本の中のワンシーンが目の前に登場する様なこのアトラクションはトロッコに乗って色々なシーンが再現された部屋を進んでいきます。
物語は、ピノキオがファウルフェローやコーチマンに騙されて人形劇団に売り飛ばされるあたりから始まり、ブルーフェアリーに人間にしてもらえるところまでとなります。
所要時間は約2分。建物内部をトロッコで進みます。スリルライドの要素はないのでお子さんでも安心ですが、全体的に暗い事と、若干怖いシーンもありますので小さなお子さんは要注意です。
一日を通じて待ち時間は短め。週末でも2~30分程度、入園制限クラスの混雑時でも4~50分程度で、一時間を越える事はほぼありません。
朝のパークオープン直後はしばらく空いている時間が続きますが、終日待ち時間が伸びる事はないので時間のある時に乗るつもりで構わないと思います。

意外に知られていない?周囲に置かれたプロップス等との関係。

このアトラクションの近くにはリンゴを持って弾むように歩く「ピノキオの銅像」と、物語の悪者である「キツネのファウルフェローとネコのギデオンの木彫り」が植え込みに置かれています。
ピノキオが持つリンゴには、ちゃんとこおろぎのジミニー・クリケットも乗っかっています。こちらはこのエリアの雰囲気を出すためだけのプロップスにも見えますが、よく見ると続きの物語になっているんですね。

ファウルフェローとギデオンが見つけるその先に、初めて学校に行くシーンが表現されたピノキオがおり、アトラクションに物語が続いていく…という映画のワンシーンになっています。

また、アトラクションの目の前には「ストロンボリーズ・ワゴン」というショップがあります(下の写真)。キャラクターグッズや夜には光るグッズが販売されている、おなじみのこのワゴン。
このショップの名前の「ストロンボリー」は、ピノキオを金もうけの道具にしようとした人形劇団の親方の名前で、これは「小さな移動式劇場」なんです。

また、同じく近くにあるフードワゴンで、パイ生地の中にクリームが入ったスティック状のお菓子、ティポトルタを販売している「ビレッジペイストリー」も元は人形劇を上演する荷馬車。
さらにはその近くにあるとんがり屋根に金魚の風見鶏が特徴のドリンクスタンド「クレオズ」(下の写真)は映画に登場するゼペットじいさんがの飼っている小さな金魚の名前です。

また、アトラクションに隣接するトイレの壁にはピノキオのワンシーンが描かれていたり、男女の入口を示すプレートは木彫りの操り人形(下の写真)だったりと、この周辺にはピノキオに関係したプロップス等がかなり多く見られます。
気にしていないとなかなか気がつかない部分ですが、ぜひじっくり見てみてください。

その他の細かなトリビア・攻略法など

比較的小規模アトラクションで、ライドも小型ではありますが定員4人のライドは回転がいいので全体的に空いている事が多く、一日を通じて待ち時間の変化もあまりないので、いつ乗ってもいいと思います。
そんなこの「ピノキオの冒険旅行」ですが、東京ディズニーランドのアトラクションは海外のパークで既に導入されているものが東京にも作られる、というケースが多い中で、このピノキオはグランドオープン時に「世界で初めて東京で開設されたもの」なんです。
それから約1ヵ月後の1983年5月15日にカリフォルニアのディズニーランドにも開設、続いてアナハイム、パリと導入された珍しいケースです。

それではアトラクションの中へ。…しばらくトロッコで進むと「プレジャーアイランド」と言われる遊園地に入ります。これは物語の中でも出てくる遊園地で、集められた怠け者の悪い子供達はロバにされ、売り飛ばされるんです。
ちなみにアトラクション入口の絵には、コーチマン(馬車屋)が大金を手にしている様子(下の写真)が描かれています。これはその「子供達をロバにして売り飛ばしたお金」なんですね。

なるほど、悪巧みをしている顔をしているのがわかります。さらに馬車に乗っている子供達もいたずら好きそうな感じなのがわかります。
また、この絵の右下には小さくてわかりにくいですが、こおろぎのジミニークリケットが騙されそうになっているピノキオを引きとめようとする姿も描かれています。

また、このアトラクションの中でレオナルド・ダ・ヴィンチの名作「モナ・リザ」を見る事ができます。しかしながらこの絵は下に落ちており、額縁も壊れ、ペンキもべっとりついています。
ここはプレジャーアイランドの中の一つ、「壊し放題の家」。ここにあるものは何でも壊していいので、ここに連れてこられた悪い子ども達の仕業なんです。また、途中でまた、ボクシングをしているシルエットが写るシーンがありますが、ここは「ケンカし放題の家(ROUGH HOUSE)」です。
また、アトラクション後半ではピノキオがブルーフェアリーによって人間になるシーンがあります。ブルーフェアリーは魔法をかけると消えてしまいますが、このシーンを通過して「後ろを振り返る」とその仕組みがわかります。
また、ちょっとアトラクションからは離れますが、このピノキオはもともとは法制度の仕組み等に対する政治的風刺を含んだ作品で、原作とは登場キャラクターの性格や物語もかなり異なります。
衝撃的な話ですが、ピノキオがこおろぎ(現在のジミニー)を踏んで殺してしまったり、ピノキオ自身も作品の中で死んでしまったり(評判が悪く、続編が作られて生き返った)、後半で食べられるクジラもサメだったり…と、ディズニーのピノキオはかなりアレンジされている作品なんです。興味のある方は調べてみてください。
また、ディズニーランドだけではなく、ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーにもキャラクターグリーティングで登場する、このピノキオやファウルフェローとギデオンたち。(下の写真。)

これはピノキオの作者であるカルロ・コッローディが、イタリアのトスカーナ州フィレンツェの出身で、物語もここが舞台である事などが理由です。そのため、ミラコスタ内部にもピノキオの物語をモチーフにした壁紙などが多くあるんですね。
…アトラクション自体は決して大きくなく、マイナーな感じもあるこの「ピノキオの大冒険」ですが、アトラクション内外でも意外に多くのこだわりやエピソードがあるんですね。
そんな事を思い出しながら乗ってみると、いつもとはちょっと違った感じに見えるかも…?
