様々なアトラクションが存在するディズニーランド。その中には、スリルライド系だけでなく、周遊型ののんびり進むアトラクションも存在します。幅広い年齢層の方が楽しめる様に工夫されているもの大きな特徴と言えます。
そんな中、知っていると少しだけ得するポイントやアトラクションを楽しむ上での攻略法などについてのシリーズ企画。個々のアトラクションを紹介する「アトラクションごとの傾向&攻略法紹介シリーズ」。
今回はそんなのんびり系のアトラクション、「蒸気船マークトゥエイン号」を前回に引続きご紹介します。
その他の細かなトリビア・攻略法など
さて、前回は色々触れましたが、このアトラクションはアメリカ河を優雅にのんびりと進むアトラクション。特に年齢や身長制限もなく、幅広い方が楽しめるアトラクションです。
ただ、小さな難点は周遊型アトラクションでありながら、ゆっくり座れるベンチや椅子が極端に少ない事。一階の船首部分にイスが数個ある程度で、後は座れる場所がほとんどありません。
そのため、ゆっくり座って楽しむというよりも船内のアナウンスに応じて移動しながら色々な景色を楽しむというのが賢いかもしれませんね。
ちなみにこのアトラクションの名称である、「マークトウェイン」という名前は、ご存知、「トムソーヤの冒険」の作者の名前。彼は1800年代に活躍した作家で、その中でも有名な作品がトム・ソーヤの冒険。
ただ、これは実は彼のペンネーム。本名は「サミュエル・ラングホーン・クレメンズ」です。トムソーヤ島の中にある「サムクレメンズ砦」は実は彼の本名です。
ウォルト・ディズニーはこのトム・ソーヤの冒険の愛読者であったため、これらの名前がつけられているんです。
このアトラクションはその名のとおり、「本物の蒸気」で航行しています。船に乗って後方を見るとその様子がわかりますが、キャストが「ジョンソンバー」と言われる、蒸気の量をコントロールレバーで出力を調整している様子がわかります。(下の写真、中央にある長い棒)
ちなみにこの船は船が大型であるため、船舶法に基づく船舶として「マークトウェイン号」の名称で公式に船籍登録がされています(母港は浦安港)。
また、法令により「船体に船名・船籍地名を表示しなくてはならない」…という事になっているため、船首にはカタカナで「マークトゥエイン号」と記載されています。
こちらは船首の目立つところにかかれているのでご存知の方は多いと思いますが、意外に知られていないのが船体後方。
この船の特徴である、赤い大きな外輪があるために非常にわかりにくいのですが、下のの写真のとおり、スクリューの後ろにはよく見ると、「マークトゥエイン号」の文字と共に、「浦安市」の文字が書かれているんです。
下の写真がそれをさらに拡大したもの。この文字は船に乗っている時はもちろん確認できませんが、外からでも航行中は外輪が回り続けるので、まずほとんど見えません。
確認できるのは、船が乗降場に停泊しており、さらに外輪が停止しているわずかな時間だけというなかなか見れないタイミング。お時間ある方は後ろ側に回って確認してみてください。
夢の国の中で、まさかの浦安市の文字という、非常に現実的なお話ではありますが、もう少し詳しく触れると、これは「船舶法」の第七条によるもの。
簡単に言うと、日本の船籍を有する船舶は「名称、船籍港、番号、総トン数、喫水(水面下の船の深さ)等を表示(掲示)する必要」があるためです。
ちなみに船の外からは見えませんが、船に乗車して、前述した蒸気の量をコントロールするジョンソンバーがある場所の後方には、これらの数値がプレートで標記されています。
【この先には夢の壊れる現実的なネタばれが書かれています。ご注意を!】
夢のあるサービスでしたが、ここで疑問に思う事がひとつ。前述の通り、正式な船舶として登録されており、多くのゲストを乗せて航行している大型の船を一般人が操縦していいでしょうか…?
もちろんそんな訳はありません。これにはそうしたサービスが可能な大きな理由があります。…このマークトゥエイン号が航行するアメリカ河はもちろん人口の池。乗り場周辺にはトムソーヤのいかだやカヌーも行き来します。
しかしその川幅は意外に大きくありません。そんな狭い中で多くのゲストがいる中をこれだけ大きな船が問題なく航行できるものでしょうか…?
ここまで書けば概ねお察しだと思いますが、実はこの蒸気船マークトウェイン号は安全上の配慮から、アメリカ河の中に敷かれたレールの上を航行しています。
もちろん通常は絶対に見る事はできませんが、数年に一度行われるアメリカ河の改修時には河の水が全て排水され、このレールが出てきます。
ただ、改修中の様子は柵で覆われて外からは一切見る事ができません。ただ、一箇所だけ見れる場所があります。…それは近くにある「滝つぼに落下するアトラクション」。その落下時には驚きの光景が…??
ただ、アメリカ河がクローズするのはかなり大規模な改修ですので、5~6年程度に一回くらい。なかなか行われませんが、覚えておくと面白い光景が見れるかもしれません。
…しかしながら、そうした現実的な部分を決して表に出さず、パークの雰囲気を大事にするディズニー。小さくて大きなこだわりを感じる事ができますよね。