アメリカで広まる人種主義(レイシズム)の問題ですが、アニメ界でもいろいろな動きが。声優とアニメキャラクターの人種を考慮するという風潮が主流になっており、再キャスティングなどの動きが活性化しています。
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非白人のキャラクターに白人の声優はNG
Simpsons ends use of white actors to voice people of colour https://t.co/GjNqJJXsGy
— BBC News (UK) (@BBCNews) June 27, 2020
超人気アニメ「シンプソンズ」では、白人でないキャラクターを白人声優が担当している場合、全て入れ替えると声明を出しました。
多様性や政治的正しさを尊重するアメリカでは、キャラクターが有色人種の場合、白人が声優を担当すると、批判が集まるのが普通です。
ディズニー映画では声優のキャスティングはどうなっているのでしょうか。
「ムーラン」・「ベイマックス」にみる声優キャスティング
実はディズニーはこうした問題にしっかり向き合っており、キャスティングもキャラクターの人種を考慮して行われています。
ムーランの声を担当するのは、ミンナ・ウェンさん。中国系アメリカ人の女優さんです。
ベイマックスはどうでしょうか。主人公のヒロ・ハマダは日本人を連想させる設定となっていますが、そんなヒロを演じたのは、日系アメリカ人のライアンポッターさん。
ということで、ディズニー映画ではこのように、キャラクターの背景を考えて声優のキャスティングが行われています。
白人が非白人のキャラクターの声を担当するのはなぜ問題か?
なぜ、白人が非白人のキャラの声を演じるのが問題なのでしょうか。それはマイノリティーに強いられてきた不平等の是正という側面が強くあります。
非白人は社会における権力構造上、マイノリティと扱われており、機会不平等の解消は今日の課題となっています。
非白人のキャラクターを白人が演じることで、そのキャラクターの人種の属性を持つ声優の機会を奪ってしまうということです。これが問題です。
実際に、映画・俳優業界はあらゆる面で白人優位の世界。このような側面が不平等是正、多様性の尊重への運動へ向かっているとも言えます。