米ディズニーパークでスプラッシュマウンテンのテーマ設定変更が決定。それに合わせてディズニーの人気曲である「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」はパークでは聴けなくなることとなり、ファンの間で大きな話題となっています。
スプラッシュマウンテンのテーマ設定が変更に
スプラッシュマウンテンは、映画「南部の唄」をモデルにデザインされており、建物や小道具は映画の設定に忠実に再現されています。
上の写真はスプラッシュマウンテン内の小屋。映画の主人公リーマスおじさんの水車小屋をイメージしたものとなっています。
日本でもテーマ変更ということになれば、こうした建物もなくなることになります。
今回は、映画「南部の唄」で描かれているリーマスおじさんの描写が黒人へのステレオタイプを助長するということで、スプラッシュマウンテンは「プリンセスと魔法のキス」をテーマにリニューアルされます。
なぜリニューアル?
スプラッシュマウンテンのモデル、映画「南部の唄」。主人公はリーマスおじさん。
昔黒人が強制労働をさせられていた農場で働く、黒人の農夫です。
そんな農夫と白人の少年・ジョニーとの触れ合いを描いた映画ですが、リーマスおじさんが幸せに生きている、という面が強調されているため、「奴隷も奴隷であることに問題を感じてなかったんだ」という誤ったメッセージを伝えかねないということで、この映画はディズニーによって自主規制されてきました。
そして、今回のアトラクションのリニューアルで、「南部の唄」はディズニーから姿を消すことになります。
「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」が消える
ディズニーで「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」といえば、「星に願いを」と並ぶほどの人気曲。パークでお馴染みのBGMです。
これを聞くとディズニーに来たーという気持ちになる方も多いのでは。
「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」は映画「南部の唄」の主題歌。ゆえにスプラッシュマウンテンのテーマソングになっています。
黒人のリーマスおじさんが幸せそうに歌う、素晴らしい曲ですが、「素晴らしい日だ」「全てに満足している」のような歌詞が並んでいます。
これを奴隷的立場であった黒人に言わせるというのはやはり誤った歴史認識を植え付けかねないということでしょう。
奴隷も奴隷で幸せだったと。
もちろん、映画の中ではリーマスおじさんは奴隷という設定ではありません。単純に、とても朗らかでポジティブなキャラクターという設定だったのでしょう。しかしながら、奴隷・奴隷システムを連想させる歴史背景は明白なのです。
お気に入りの曲が聴けなくなるのは悲しいですが、曲につきまとうこのような歴史背景なども考えると、納得せざるを得ないでしょう。
そもそも、自主規制していた映画をモチーフにしたアトラクションが今まで残っていたことが不思議であるということもあると思います。
皆さんは、この問題、どのように思われますか。