東京ディズニーリゾートの魅力はたくさんありますが、中でも人気なのがキャラクターグッズ。
そんな中、主にダッフィーフレンズ関連の新商品発売日に毎回必ず話題になるのが「転売」問題。
毎回繰り返されるこの転売について、何か具体的な対策は無いのでしょうか?実現の可否は別にして、今回はそんな「有効な対策」について考えてみたいと思います。
この記事のもくじ
前提として転売は違法行為ではない
いわゆる、転売屋(以下、「転売ヤー」と表記)が特定の商品を大量に購入し、それに価格を上乗せして販売する「転売」行為。
イメージ的には「法律違反」と言う感覚もありますが、実はこの転売自体は法的に禁止されている行為ではありません。
厳密に言えば、営利目的で反復的に継続していたりする場合は古物商許可証が必要になったり、各都道府県の迷惑防止条例等では違反に該当する場合もあります。
しかしながらこうした行為によって、通常のゲストが購入したいものが買えず、発売初日に品切れを起こしてしまうといったケースは、道徳的に許されるものではないとも言えます。
特に近年の東京ディズニーリゾートではそうした転売行為が年々悪化し、いわゆる「治安が悪い」と言われる状態となっています。
そんな転売行為を防ぐために何か「有効な策」は無いものなのでしょうか。
今回はそんな中で有効と思われるような策をいくつか考えてみました。皆さんもご意見もいただけると幸いです。
(1)発売開始から一定期間は一人一個のみ
ひとつの有効な方法と思われるのが、販売開始から特定の期間、例えば1〜3週間の間は、「理由を問わず、1人一個に限定する」と言う方法。
物理的に大量購入できなくする事によって、在庫が急激になくなる事が防げます。
キャストの処理が大変にはなりますが、購入の際はパスポートを提示(機械的チェック)するなどして、他の店舗でも複数購入ができないようにするのも有効かと思われます。
どうしても複数欲しい人は、事前に発売日が公表されているならば、その期間が終えてから行くようにすると言う方法も有効なのではないでしょうか。
(2)購入は「有料入場者」のみ
上記に付随した方法の一つ。以前、「1人○個まで」の制限のために、できるだけ人数を増やそうと、赤ちゃんの人形をべビーカーに乗せて購入しようとする人物がいた(過去の「【ベビーカーに赤ちゃん人形】ディズニー人気グッズ販売日で話題に。個数制限の条件クリアのため?参照)事が話題になりました。
これは非常に特殊なケースですが、こうした行為を予防するためにも、購入制限は「有料入場者数(3歳以上)につき1つ」といったものも抑止力にはなるかもしれません。
「子供の分が買えない!」と言う弊害はあるかもしれませんが、そもそも3歳以下の入園は保護者がいるはずなので、そちらは大きな問題にはならないと思われます。
(3)発売日を「完全非公開」にする
こちらも効果がありそうな方法として、グッズ発売日を例えば「4月中旬頃発売予定」としてしまうなど、「明確な期日を発表しない」と言う方法。
そうする事によって、ゲストや転売ヤーの一極集中を防ぐことができ、組織的な転売をしにくくすると効果はあると思われます。
ただ、逆に言うと、近年は内部情報も比較的簡単に漏洩してしまう印象も…。これが漏れた事によって、逆に一部の特定の転売ヤーだけが得をしてしまう、と言うケースもあるかもしれません。
(4)人気グッズは「完全受注生産」に
一番安全、かつ安心で確実に欲しい人の手元に渡りそうな方法として、「完全受注生産にする」方法があります。
そうすれば需要に応じた必要個数が運営側もわかりますし、そもそも申し込んだ人が必ず買えるのであれば、「その商品の転売自体が成立しない」と言うことにもなります。
現実的にはこの方法が様々な問題が解決する、最適な方法であるといえます。
ただ、これを実現するためには、受け入れるためのシステムやオーダーから梱包、発送などの手間が非常にかかります。
パーク運営がそのための費用や手間を負担する必要があり、現実的では無いのかもしれません。
(5)発売開始から「一定期間は抽選販売」
これは賛否ありそうな方法の1つですが、「発売からしばらくは抽選販売にする」と言う方法。
言うまでもなく大量一括購入を防ぐため…と考えれば有効な方法ですが、そもそも転売を防ぐためだけに他の人が影響受けてしまう、と言うのも非常に歯がゆい話。
それでなくても現在はショーのエントリー(抽選)やスタンバイパスで、なかなか思うようにパークが楽しめなくなっている現状ですので「また抽選か…」と言うのもちょっと嫌かもしれませんね。
一括大量購入による品切れは確実に防ぐことができますが、商品をできるだけ多く販売したいと考えている運営側としては、現実的には実現する事は難しいと言えるかもしれません。
(6)遅くても「オンラインで絶対購入可能」
こちらは前述した、完全受注販売に近いものですが、既存のオンライン販売のシステムを利用して、たとえ時間がかかっても、必ず手元に届くような状態にすること。
現在あるオンラインショップの仕組みを使えばさほど難しいことでは無いはずですし、たとえ在庫切れを起こして時間がかかったとしても、「欲しい人が確実に買えるオンラインショップを充実させる」と言う方法はかなり有効だと思われます。
欲しい人が確実に買える状況になれば転売が成り立たなくなります。既存のシステムを利用してコストをかけずに対策できる、最善の方法と言えるかもしれません。
(7)「大量発注」で在庫潤沢な状態に
こちらもシンプルな対応策。たとえ転売ヤーが一括大量購入しようとも、それを上回る規模の「大量発注で商品を潤沢に揃える」と言う事。
商品が潤沢に市場に出回り、希少価値がなくなれば、そもそもの価値はそれ以上、上がらないので転売を撲滅するためには最適な方法ともいえます。
ただ、これまで何度もそうした状況になったのに、パークは対策をしてこなかったと言う事実。
これは当然の事ながら、売れ残るリスクを背負ったまま大量生産する事は現実的には無理なことであり、ダメージを受けるのはオリエンタルランドのみ。
こちらも現実的には難しいと言えるでしょうね。
…以上、思いつくままに、転売対策になりそうなものを並べてみました。
いずれの方法も一定の効果は見込めるものの、デメリットも多いため現実的には難しいと思います。
しかしながら、問題解決に向けて具体的な対応策を考えるならば、こうした部分を参考に、できる事を今後も対応していって頂きたい所ですよね。
「欲しい人が買えない」、更に「それを使って特定の方だけが利益を得ている」と現在の状況。転売自体は違法行為ではないとしても、パーク側として「どう考えても異常」と言える現状。
「名ばかり」ではなく、具体的で有効な対応をいずれ行ってくれるといいですよね。