東京ディズニーランドで12月13日、パレードルートに突然男性が侵入し、パレードが一時停止すると言う驚きの事件がありました。
けが人などが発生しなかったのが幸いですが、誰もが予測しなかった衝撃の事件。しかし、こうした突発的なトラブルでも迅速に対応したパークの姿勢が評価されています。
「夢と魔法の王国」で起きた衝撃の出来事。パークの安全対策や、私たちは今後どうすればいいか…などについて考えます。
この記事のもくじ
パレードルートへの乱入は防げない
既にニュースサイトなどでも大きく取り上げられている今回の事件。
詳細は下記記事や関連サイトなどを確認いただければわかると思いますが、多くの人で賑わうクリスマスの東京ディズニーランドで起きたまさかの出来事。
こうした不審者や突発的なゲストの行動などは、例えば屋内や半屋内のステージで発生した場合は、ある程度は関係者やセキュリティーも目視で瞬間的にその行動を把握できます。
しかし、今回の様に屋外でかなりの広範囲で実施されるパレード型の場合は、現実的に乱入者が出てきてしまう事は完全に防ぐことはできません。
しかし、パレードが停止してもずっとファンサービスを続けるキャラクターたちの意識の高さ。そして何より凄いのは、それでも即座に乱入者を抑え込み、迅速に対応したキャスト。
一部では過激な抑え込み等を揶揄する表現なども見受けられましたが、目的がわからない乱入者がキャラクターや演者、ゲストに危害を加える可能性も考えると、適切な対応でパークの安全対策は非常に評価できる部分だと思います。
1億総カメラマン時代。リアルに伝わる現場
今回の乱入事件では、発生とほぼ同時にその様子がTwitterの動画で複数伝えられました。
しかも、タイムラインを見てみると、「ほぼ全方位から」と言ってもいい位、様々な角度からその様子が挙げられていました。
余談ではありますが、今回のほぼ同じ位置で、2008年に行われていた過去のパレード「ディズニー・ドリームス・オン・パレード“ムービン・オン”」でフロートの支柱が折れてゲストの近くに落下すると言う事件がありました。
この時はたまたま個人的に来園していたNHK職員が個人的に回していたビデオの映像が話題になりましたが、当時はほぼここからだけの映像のみでした。
しかし、今はほぼリアルタイムに近い時間でそうした情報がアップされる時代。関係者の情報把握や今後にも活かされる可能性もあり、適切な対応に役立つといいですね。
映像アップの際は「最低限の配慮」も
最近では様々な各メディアやテレビ、ニュースサイトよりも、圧倒的に「Twitterによる情報の拡散」が素早く行われる現代。
こうした様子がすぐに手に取れる状況は非常にありがたいのですが、反面、「別の課題」も出てきていると言えます。
どうしても「その話題性」が先行してしまい、様々な位置からの映像で、来園しているゲストの「顔」や「その位置」などが特定されてしまう危険性が軽視されてしまう状況になっている事もあります。
気軽に動画を挙げられる反面、そうした弊害もあると言えるでしょう。
現在はスマホの無料アプリでもボカシやモザイク処理が気軽にできるのもの多くあります。ネットにアップする際には、そうした配慮もしていきたいものですね。
平和ボケ?誰もその場から逃げない
「夢と魔法の王国」である東京ディズニーランド。今回はそれにそぐわない事件となりました。
もちろん基本的にはこんな事が起こると思って来園しているわけでは無いですし、その場にいた方にとっては衝撃の事件だったと言えます。
しかし、その現場の映像を見ていて感じたのは、パレード中だったとは言え、「乱入者を見ても周りの方はその状況を見守っているだけ」と言う状況。
もちろん、長く待ったパレードですし、特に現在は(その精度や正確さは別にして)パークでは危険物の持ち込みは禁止されており、荷物検査も行われています。
ただ、今回のようなケースで、乱入した人が仮に銃器や爆発物などを持っていた場合、大きな被害になっていた可能性もあります。
銃の所持が認められている海外では「爆発音」がしたり、「不審者」があった場合は即座に周りの人はその場を逃げると言う習慣が身に付いている国も多くあります。
余談ですが、印象的なのは安倍元首相銃撃事件があった際、「銃声があった直後でも日本人は誰も逃げなかった」というのが海外のニュースサイトで話題になっていました。
もちろん今回もそこまで大きな事件ではなかったですし、少し大げさなのかもしれませんが、危機管理と言う面では、日本もパークも国際化している現在、少しづつ変えていかなければならない意識の一つなのかもしれませんね。
今後の演出に大きな変更等がある可能性も
今回は大きな被害は無いようで結果的には良かったですが、気になるのは「今後のショーやパレードの演出や整理の仕方に変化が出てしまう」と言う可能性。
ご承知の方も多いと思いますが、2011年の「東京ディズニーシー10周年」のショー「Be Magical!」が行われていた際、演出として「キャストやゲストが突然ダンサーになって登場する」と言うものがありました。
これは斬新な演出で、当時、非常に評価も高かったのですが、「全く関係ない私服の一般ゲストが乱入し、しばらくそこで踊っていた」と言う衝撃の事件がありました。
この時は今回のパレード乱入と異なり、「しばらく気づかれずにそのまま踊っていた」という事。これが悪意のある状況だったとしたらかなり危険とも言えますよね。
非常に素晴らしい演出でしたが、結果的にこうした「極端にゲストとキャラ(キャスト)が近くなる様な演出」などが今後は無くなっていく、又は大きく変更されると言う可能性も考えられます。
今回は大事には至りませんでしたが、こうした事件があると、様々なエンターテイメントの演出の変化が起きてしまう可能性が高まるのは、とても残念な事ですね。
例えパーク内でも自分の身は自分で守ると言う意識
今回はその後のニュースによると、乱入した男性は、「迷惑をかけるつもりはなかった」と伝えられています。
今回はこれ以上の大きな事件に発展する事はなさそうですが、楽しく、非現実の世界を味わわせてくれるパークですが、テロや様々な危険が全く無いわけではありません。
もちろん、パークはそうした部分もしっかり安全対策してくれていますが、例えば荷物検査でも物理的に全ての危険物を完全に防ぐことはできません。
もちろん、あまりそうした部分を過度に気にし過ぎて来園する必要はないとは思います。
しかし、例え「夢と魔法の王国」であったとしても、何かあった場合は周りに頼るのではなく、最低限、「自分の身は自分で守る」といった事や、「安全安心への心構え」は、自らもそれなりに意識しておく必要があるのかもしれませんね。