様々なトリビアやこだわりの物語でも私達を楽しませてくれる東京ディズニーリゾート。開園から間もなく40年を迎え、その数も非常に多く存在します。
しかし、中には「間違ったもの」や根拠のない「都市伝説的なもの」、更には「時間の経過で変わってしまったもの」もたくさん存在します。
今回はそんな多くの方が誤解している、舞浜の名前の由来について紹介します。
この記事のもくじ
アップデートされていない「昔の知識」
東京ディズニーリゾート関連のテレビ番組などでよく話題になる、パークがある「千葉県浦安市舞浜」の地名について。
よく見かけるものとして、「『舞浜』の名前の由来は、アメリカのマイアミビーチから名付けられた」と言うお話をよく耳にすると思います。
こちらはよく東京ディズニーリゾートを紹介する番組の中でも有名タレントさんがそんな話をする事もあり、広く知れ渡ったこのトリビアはご存知の方も多いと思います。
しかし、多くの方がそう思っているこちらの知識ですが、実は「現在は正しくない知識」なのです。
「間違い」ではなく「訂正された知識」
舞浜の名前の由来(マイアミ)について、ややこしいのは「正しい知識だったが、後から訂正された」という特殊なケース。
単に間違いなのではなく、確かに過去には「マイアミが語源」とされていた時期があるのです。
つい最近見かけた某テレビ番組でも、その説が紹介されていた事がありますが、下記には小さく「諸説あります」と言う記載があった事も。
そこでご覧いただきたいのが、上の画像。こちらは、「国立国会図書館(インターネット資料収集保存事業)」が保存している、2019年8月6日時点での浦安市の公式サイト。
ここには確かに、浦安市として正式に「マイアミビーチが語源である」と発表しており、各テレビ番組やメディアなどでもこのような形で紹介されていた事が多くあります。
しかし、平成27年に浦安市のホームページには「ある変化」がありました。
浦安市が公式サイトで由来を訂正
そんな、マイアミが語源との定説が広まった中、平成27年2月に浦安市の公式ホームページが更新されました。
それによると、下記画像の通り「舞浜の地名は、マイアミが語源ではなく『浦安の舞』にちなんで名づけられた」と言う説に訂正されました。
記述によると、市史の記述を検証する中で、過去の議会(昭和50年11月29日)の中で当時の町長が「浦安の舞にちなんで舞浜と名付けた」と説明し、可決されたという事実があった事から、記述を改め「浦安の舞」を地名の由来とした事が書かれています。
浦安市の公式サイトはこちら。こちらの地名の由来が掲載されているページはこちらです。
これにより、正式に「舞浜の名前の由来」が訂正されたのですが、既に「マイアミ説」が周知の事実となっており、なかなか広まっていないと言う部分があります。
実は舞浜には何の関係もない「浦安の舞」
そんな名称の元となっている「浦安の舞」ですが、その名前だけ聞くと、浦安市の文化のような気がしますが、実は直接浦安市には関係ないと言う、更に驚きの事実もわかってきます。
こちらはちょっと意外ですよね。
「浦安の舞」とは、神楽(巫女神楽)の一つで、近代に作られた「神楽」のひとつ。浦安市だけのものではなく、全国で行われている神楽です。他にも以下の説明があります。
「うら」は心を指す古語であり、「うらやす」で心中の平穏を表す語であるとされる。(略)他の文献にも日本国の別称として「浦安国」とあることから(略)国の平穏無事が、題名である「浦安」の語に込められている。(wikipedia「浦安の舞」より引用)
…以上、ご紹介した様に、「知られている知識が今は変わっている」、「更にそこには深い歴史が存在する」と言った、非常に興味深い内容。
他にもこうしたパークに関連する知識をトリビア等は、時間の経過とともに変わったりすることも多くあります。
特にこうしたトリビア系の話は、かなり前の情報だったり、もともとのソースがないまま広がったり、間違ったまま広がると言うケースもたくさんあります。
もちろん、何も考えずに行っても十分楽しい東京ディズニーリゾートですが、浦安市やその周辺の歴史なども調べてからパークに行くと更に面白いかもしれませんね。