東のテーマパークと言えば「東京ディズニーリゾート」、そして西のテーマパークと言えば「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。
異なる個性が特徴で、2つを比較する意味はあまりないとも言えますが、やはり「その違い」は気になりますよね。
今回は、シリーズでご紹介した【ハード編】、続いての【サービス編】に続き、その他の細かな違いについて、USJの画像を中心に、筆者独自の観点から見た【その他編】をご紹介していきたいと思います。
この記事のもくじ
販売している「グッズの種類」が多いUSJ
ショップやエリアなどによって「USJの方がグッズの種類が非常に多い」と感じたのが2つのパークの違いのひとつ。
特に近年のTDRでは、2022年8月現在、いわゆる「スペシャルイベント」と言えるものを実質的にやっていない影響もありますが、パーク内のどこのショップに行っても「同じようなものしか売っていない」と言う印象があります。
対してUSJでは、「そのショップでしか売っていないもの」や、「そのキャラクターだけの店」と言うものが多く、キャラクターの種類やグッズの「種類の多さ」を感じました。
また、TDRではメインとなるミッキーを始め、キャラクターの個性が強いため、「ミッキーやミニーのグッズに頼る部分が多い」と言う印象があります。
反面、多くのキャラクターやコラボグッズを扱えるUSJの方がかなり自由度が高いと感じました。
TDRでも例えば「タワー・オブ・テラー」の隣のショップ「タワー・オブ・テラー・メモラビリア」では、以前はアトラクションの舞台となっている「ホテルのタオル」や「ルームキー」などのグッズを販売していました。
しかし、近年は「どのショップでも売っているものがほとんど同じ」と言う印象を受けます。
コラボグッズを積極的に販売しているUSJでは、ディズニーでは絶対見られないようなグッズなどもあり、「グッズの魅力」と言う意味では、USJの方が非常に幅広いなと感じました。
また、例えば、ハリーポッターエリア(ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター)では、映画の中で登場する「ホグワーツ魔法魔術学校」の生徒たちが来ているコート(ローブ)やマフラーなどが売られていたり、もちろん「魔法の杖」も売られています。
さらにほとんど買う人はいないですが、映画の中で使われていた「空飛ぶ魔法のほうき」などが実際に販売されています。
上の写真、こちらはそれぞれ52,000円と63,000円と、現実的に買う人はほとんどいない価格。ただこうした現実と映画の物語を一緒にするのも面白いですよね。
また、映画の中で登場した細かなグッズなども販売されています。
これはもちろん映画をじっくり見ていれば更に楽しめるものですが、逆にシリーズをしっかり見ていない人でも、「映画を見てからもう一度行きたくなる」と言う効果もありますよね。
パークの楽しみのひとつでもあるショッピング。こうした部分も「個性あるショップで選ぶ楽しさ・見る楽しさ」も楽しみのひとつですよね。
ミッキーマウスと言う「強すぎるキャラクター」
パークのマスコットとなる様々なキャラクター。言うまでもなくTDRではミッキーマウスを中心に、「世界中の誰もが知るキャラクター」が登場します。
対して、USJのキャラクターは例えばミニオンやウッドペッカー、スヌーピーなどの知名度はもちろんあると思いますが、やはりミッキーマウスの知名度には敵わない部分があると思います。
そうした面から見ると、どうしても「ミッキーマウスと言う強力すぎるキャラクター」による集客や知名度では負けてしまう面があります。
それぞれの個性はもちろんあるものの、そうした部分でやはり「強すぎるミッキーが君臨するTDR」との差を感じます。
ただ、逆に言うとUSJでは「多くの個性的なキャラクター」で、ゲストの好みもうまく分散し、「一極集中ではなく、パークを純粋に楽しめる」と言う部分もあるように感じます。
キャラクターだけに頼らない「世界観」
前述した通り、TDRではミッキーと言う強力なキャラクターがいる一方、「スーパーマリオ」や「ハリーポッター」など、負けず劣らずの個性あるキャラクターの存在感もあるUSJ。
ただ、「ミッキーを中心に考えてエンターテイメントが作られているTDR」に対し、USJはそれらの「キャラクターだけに頼らず周囲の世界観や細かなコンテンツに没入できるように作られている」と言う感じがあります。
あまり良い表現では無いですが、TDRは「ミッキーを出せばある程度の人気は確保できる」と言うものが多くあるのも事実。
しかし、「スーパー・ニンテンドー・ワールド」や「ハリーポッターエリア」等、キャラクター人にだけに頼るのではなく、「その世界観を細かく再現する部分」など、没入感と言う意味ではUSJの方が高いと感じます。
具体的には例えば、ハリーポッターエリアの「魔法の杖」を使って魔法を楽しむコンテンツや、ニンテンドーワールドのパワーアップバンドなどが良い例。
「ゲスト自身が体験し、その世界に入り込む事が出来る」と言うのはTDRにはあまり見られない様に感じます。
魔法の杖(約5,000円~)もマジックバンド(約3,800円)も決して安いものではありません。ただ、それを購入してでも「体験してみたい世界」があると言うのは、USJならではのような気がします。
スズメが痩せている(笑)
続いては、とても小さな事ですが、TDRとUSJを比べて感じたこと。それは「スズメが痩せている」と言う事(笑)
TDRの場合はポップコーンワゴンがあちこちにあり、当然それを買うゲストが多く、スズメについついあげてしまう事が多いと言う理由もあると思います。(※エサを与える事は奨励されていません。)
写真は休憩してる時に飛んできたスズメ。
TDRでは「まるまる太ったスズメ」の印象がありますが、USJではなんだか「普通の痩せているスズメ」のイメージがありました。
小さな部分ですがこんなところにも違いを感じました。
オフィシャルホテル等の「料金の差」
こちらはパークについてと言うより、周辺ホテルについてですが、明確な比較はできないものの、「TDRの周辺ホテルやディズニーホテルの方が、料金が2割程度高い」と言う印象を受けます。
全く同じ条件での比較はできませんが、USJ周辺のホテルの方が安く泊まれるように感じます。

もちろん日程やホテルのカテゴリーやサービスにもよりますが、公式ホテルを比較するとその料金に違いを感じます。
「迅速な対応のUSJ」「決定に時間のかかるTDR」
こちらも大きな違いの1つだと感じる部分。
詳しい契約形態などは分かりませんが、「比較的迅速に対応が行えるUSJ」に対し、TDRはやはり米ウォルト・ディズニー・カンパニー本社の意向などを考えて進める必要があるためか、「臨機応変で迅速な対応が行いにくい」と言う点が挙げられると思います。
例えば過去に両パークとも台風で休園になった事がありますが、「迅速に公式Twitterで情報を発信するUSJ」に対し、「なかなかその対応が発表されないTDR」と言う事がありました。
こちらについては優劣をつける訳では無いですが、こうした様々な意思決定はUSJの方が素早く、ゲストが求めている情報に対して迅速な対応を行ってくれる印象があります。
運営側の意志が基本のTDR。ゲスト目線のUSJ。
これはあくまで個人的感覚なので、必ずしもそうとは言い切れない部分もありますが、2つのパークを見て感じたのは、「楽しむ場所を『ゲストに提供』しているTDR」、対して「楽しんでもらうためにどうするかを考えているUSJ」と言う印象を受けます。
もちろんそれぞれのパークの楽しみ方は無限大なので、一概に言えることでは無く、優劣をつけると言う意味ではありません。
ただ、「ここがこうだったらいいのになぁ…」と言う部分を「ゲストの立場で考えているUSJ」、それに対して、「ディズニーと言う世界観の中で楽しんでもらいたいTDR」…そういった印象を全体的に受けました。
「遊ぶ人の個性で自由に何でも楽しめるUSJ」と「ディズニーの世界の中で楽しんでもらいたいTDR」と個人的には感じました。
「浪速の商人感」が強いUSJ
2つのパークの相違点として色々述べてきましたが、もちろん両テーマパークとも慈善事業ではありませんので、それなりの出費を伴いながら楽しむ事になります。
そんな中でも特に感じたのは、USJの方がやはり「浪花の商人感」(笑)が強く、シンプルに色々高いという事。
例えばパスポートを購入して楽しむのはもちろんですが、USJでは「エクスプレスパス」を購入すればアトラクションはほぼ待ち時間なく楽しめます。
TDRでも最近は有料のファストパスである「ディズニー・プレミアアクセス」の制度ができましたが、対象アトラクションはまだまだほんの一部だけ。
対してUSJでは「主要アトラクションはほとんど対象」です。そして、さらに「かなり高い」と言う印象。
そしてこの時短ができる「エクスプレスパス」は非常に便利ですが、実際のアトラクション待ち時間は「かなり盛っている疑惑」があります(笑)
もちろんタイミング等にもよるので一概には言えませんが、例えば「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」が45分待ちで乗った時、実際にかかった時間は20分ちょうどと半分以下。
また、「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」が「50分待ち」になっていた時、ノンストップで乗り場まで行けたので、実質的な待ち時間は「移動の時間だけ」と言う時もありました。
対してTDRの待ち時間は「表示された時間より若干短いが、かなり正確」と言う印象があります。
また、ニンテンドーエリアのパワーアップバンドや、ハリーポッターエリアの魔法の杖で楽しむ方法など、「中に入ってもそれなりの出費を覚悟しなければならないUSJ」と言う印象を受けました。
ただ、もちろんそうしたものを使えばそれなりの体験価値が上がるのも事実。これはゲストが選べる選択肢があると言う理解をすればありがたい事とも言えますよね。
入園前の「走らせない誘導」
TDRと比べてありがたかったのは、「入場ゲート前に並ぶ際、クルーが整列誘導してくれる」と言う事。
上の写真の位置、1番最初のゲートの2番目位に並んだのですが、その後、このゲートの中に入り、チケットブースを通過して入園ゲート直前に並びます。(下の写真)
その際に「ゲストの列をクルーが静止し、順番にゆっくり歩いて入場させてくれる」と言う事。
これは、基本的に「走らないで」と言いながらも、結局は「フリーでゲートまでダッシュがスタートする」TDRに対し、非常に丁寧でありがたい誘導だな…と感じました。
もちろん運営側として、ゲストに「走るのは禁止」と言う事は必要ですが、実際には「走ったものが勝つ」と言う状況なのは「パーク側の責任」であると思います。
こうした部分は何度も繰り返されるのに一向に改善されないTDRには見習って欲しい部分だと思います。
進まない「紙媒体の案内」
TDRではおなじみだった、当日のスケジュールやグッズ等が記載されている、紙の「TODAY」。
コロナウィルス感染防止を理由に中止したままですが、USJでは既にこの紙の案内はご覧の通り普通に置かれています。
感染予防対策と言う事で、一見合理的にも感じますが、現実的に考えば、ショップに並んだ商品なども同様とも言えると思います。
そうした部分から考えると、こちらはいつまでも停止しておく合理的な理由にはならないと感じます。
個人的感覚ではありますが、「感染予防を理由になかなか再開しないサービス」というのがTDRには多い気がします。感染予防対策は重要ですが、もう一度幅広い意味で確認してもらいたいものです。
…以上、いかがでしたでしょうか。
【ハード編】、【サービス編】、そして今回の【その他編】としてお届けしてきた「TDRとUSJの違い」。
これらはあくまで「筆者個人の感覚」ではありますが、こうした2つのパークのサービスを比べる事で、より一層「それぞれの楽しみ方」や、「両パークの課題」などが見えてくる気がします。
色々述べてきました2つのパークの違い。もちろん個性的でどちらも素敵なパーク。これから行かれる方の少しでも参考になれば幸いです。