
東京ディズニーリゾートにある5つのディズニーホテルでは、夏休みの宿泊者に対して無料でアトラクション利用券がついてくるサービスが7月14日から開始されます。
これまで一時的なもの(アンバサダーホテル10周年等)はありましたが、「ありそうでなかった」宿泊者に対するアトラクション券のサービス。
こちらはゲストへのありがたいサービスですが、今回これまでは無かったこのサービス、実態はどうなのでしょうか?
この記事のもくじ
ゲストにとって非常にありがたいサービス
これまで「ディズニーホテル」と言えば、当然の事ながらパスポートや食事代はもちろん別。そして、こうしたアトラクションの利用券が付いてきた事は基本的にはありません。
例えばアンバサダーホテルが10周年の時に宿泊した方にファストパスを配布する、といったサービスなどがいくつか行われた事はあります。
しかし、有料のパッケージプラン、「バケーションパッケージ」以外で、宿泊するだけでファストパスがついてくる…と言うのはこれまでにない異例のサービスです。
特に混雑する夏休みには非常にありがたいサービスですよね。しかしなぜこんなサービスを突然行う事になったのでしょうか?
サービスの追加?それとも緊急対策?
そんなゲストにとっては間違いなくありがたいサービス。
更にこれに加えて、夏休み期間中は子供のパスポートが半額、更にパーク内のドリンクのサイズアップが無料…と言う企画も既に発表されています。
子供半額でさらにディズニーホテル泊でファストパスをゲット。間違いなくこれはこれまでにないありがたいサービスです。
ただ、これまでパークはこうした割引などを行うのは、春のキャンパスデーシーズンなどが基本で、混雑する夏休みに実施するのは異例と言えます。(東日本大震災の年の夏には同様の子供半額などが実施されました。)
そんな中、この現状をちょっと客観的に考えてみると、パークの「ある事情」が見えてきます。
夏休みなのに空き室が多いディズニーホテル
そんなありがたい数々のサービスですが、ここでディズニーホテルの夏休みの客室の空き状況を見てみましょう。
もちろん人気の部屋カテゴリーは既に埋まっている所も多く、当然の事ながら、オープン間もない「トイ・ストーリーホテル」はほとんど予約で埋まっています。
しかし、それ以外の部屋は空室がかなり目立っている印象です。
「まだ、夏休み始まっていないし、こんなものでは?」と思うかもしれません。また、7月中旬から実施される予定の「全国旅行支援」を待っている…と言った考えもできます。
しかし、コロナ前のディズニーホテルでは、予約開始日の半年前には夏休みの予約はほぼ埋まってしまうほどの人気具合でした。
それが現在は、夏休みを来月に控えた状況でも空きが目立つ様子。
各旅行サイトなどでも色々な夏休み予約が開始している状況でもこの様子だと、少し心配になりますよね。
ディズニーホテルじゃなくても良い傾向?
なぜ人気のディズニーホテルの夏休みの空室がこれほど多いのでしょうか。
そんな原因の1つとして考えられるのが、「ディズニーホテルの各サービスの変化」にもあるのではないかと思います。
シンプルな変更点としては、パークに少し入れる「アーリーエントリーチケット」は、以前は宿泊者は無料でしたが、2021年2月20日(土)入園分以から有料化されました。
価格は1人あたり3,000円で、4人家族なら12,000円。これは大きな変化とも言えます。
更に今年5月からは、「ディズニー・プレミアアクセス」と言う、有料ファストパスチケットが販売になりました。こちらもひとつのアトラクションを4人家族で使うならば、8,000円。
もちろんそれなりに予算に余裕のあるご家庭であれば関係ないかもしれませんが、一般的な家庭にはなかなか厳しい金額であると言えます。
同じ値段なら他のホテルでもいい?
そんな中、現在はディズニーホテルに宿泊すれば必ずパークチケット購入ができます。少し前のコロナによる移動制限や緊急事態宣言などが出ている際は、チケットがなかなか買えず、これは非常に大きなメリットでした。
しかし、現在は夏休みも含めて、週末も「ほぼいつでもパスポートが購入できるような状態」です。
また、他にも例えば、以前はホテルミラコスタに泊れば、「翌日だけでなく、チェックイン日にも両日シーに無料でアーリーインが可能」でした。
こうした条件の変更が数多く変更され、「ディズニーホテルならではの売り」が減って行ってしまった影響は少なからずあるのかもしれません。
そうであれば、無理をしてディズニーホテルに泊まらず、チケットさえあれば、「近辺のもっとリーズナブルで食事も付いたホテルに泊まるのも…?」と言う選択肢も必然的に出てきます。
それでも「特別な場所」であって欲しいディズニーホテル
もちろん、ディズニーホテルには他にはない「特別な空間」で、直営ならではのメリットが他にもたくさんあります。
ただ以前に、こちらの記事「そうだったの…ディズニーホテルのサービスの変化をまとめました」で触れたように、そのサービスは近年急速に変化しています。
そう考えると、特に1日しっかり遊んでホテルは帰って寝るだけ…と言う方にとっては、単純に「ディズニーホテルだともったいない」となってしまう可能性もあるわけです。
コロナによる打撃を受けた旅行業界。やっと上向きになりかけてきたこの夏。
この契機に乗って、いろいろなホテル等も様々なプランを企画してきています。
そんな中、これまでの人気が保てると思ったのかどうかわかりませんが、様々なサービスを削減してきたディズニーホテル。
これまでは大きな影響は無いように見えましたが、これからはそうした影響が徐々に出てくるのかもしれません。
しかしながら、それでもやっぱり他には無い特別感のあるディズニーホテル。その存在感は変わらないはずです。
ゲストにとってはこれまでとは変わらぬ「特別な場所」であって欲しいものですよね。